AAとGGに通底するもの(その11)
音は空気の振動(疎密波)である。
そんな物理現象のひとつに「肉体」などなくて当然。
その音を発しているスピーカーも、電気の力によって振動しているのであって、
そこになんらかの手の力が加わっているわけではない。
アンプにしても、オーディオ機器すべて、音を鳴らしているときに、人は直接介在していない。
だから「肉体のない音」こそ、純然たる音、と定義づけもできる。
だが、ときとして、物理現象のである空気の振動に、演奏者の息吹を感じることがある。
それはもう、肉体の存在を感じるときでもある。
それは虚構の肉体、事実そうであろうが、少なくともそう感じられたとき、
音は「音楽」になっている、と思う。
音楽を構成しているのは、音。
では、音と音楽をわけるものは、いったいなんなのか。
結局のところ、それが「肉体」だと、いまは思えるようになった。