Date: 1月 10th, 2010
Cate: 音楽性
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AAとGGに通底するもの(その3)

アデールによる「フーガの技法」の最初の一音、そしてもう一音が鳴ったとき、
「グールドだ!」と感じてしまった。

グールドのディスクは、反復してよく聴いている。
だから、外出先で、レコード店やそれ意外の場所でも、グールドの演奏がかかると、
耳がすぐに反応して「あっ、グールドだ!」とわかる。

さすがにグールドののこしたすべてのディスクに対して、なわけはないが、
それでも新旧のゴールドベルグ変奏曲、平均律クラヴィーア、パルティータなどは、すぐに反応している。

それはしっかりと耳に刻まれているからこそ反応できるのに、
はじめて聴くアリス・アデールの「フーガの技法」に反応したのはなぜだろう?

聴き進むにつれて、グールドがもしピアノで再録音していたら、
まさに、いま聴いている演奏にきわめて近い、というよりも、そっくりになったのかもしれない。
そんな気もしてきた。

アリス・アデールが、グールドの演奏を真似している、そんなことではない。
真似しようとしてもできるものではないだろうし、もしそっくりの真似が可能だとしても、
そういう演奏に、耳が「グールドだ!」と反応することはない。

いっておく、アリス・アデールの「フーガの技法」は素晴らしい。

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