オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(真空管アンプのレイアウト・その8)
真空管アンプの場合、それもパワーアンプの場合、
どういう真空管が何本使われているのか、トランスの数などから、おおよその回路は想像がつく。
まずモノーラルなのかステレオなのか、
出力管は一本なのか二本なのか、それとももっと多いのか。
電圧増幅管にはどの真空管が何本使われているか。
こういったことから、よほど変った独創的な回路やトランジスターとのハイブリッドでもないかぎり、
回路の推測が大きく外れることはあまりない。
そうなると真空管、トランスのレイアウトから、アンプ内部の配線はこんなふうになっているのではないか、
という想像ができる。
この想像が当ることもあればそうでないこともある。
プリント基板を使ったモノだと想像は外れる。
フックアップワイアーを使ったモノだと、うまく当るものもあればそうでないアンプもある。
この想像も、私の場合はあくまでも伊藤アンプがベースになっている。
だが人にはそれぞれ流儀のようなものがあり、
真空管アンプに関してもそうであり、フックアップワイアーによる配線であっても、
伊藤先生の配線の仕方とは異る流儀があって、
その流儀によってつくられているアンプだと想像が大きく外れてしまうのではなく、
そういう流儀の違いはあっても、アンプ配線の基本となるものがしっかりしているのであれば、
ディテールの違いはいくつもあったとしても、大きく外れはしない。
大きく外れてしまうのは、配線のベースとなる基本が異るアンプであり、
そういう異る基本をもつ人ということになる。