オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(真空管アンプのレイアウト・その4)
なにをもって「まともな」真空管アンプとするのか。
私の答は、伊藤先生のアンプということになる。
それではまったく何も説明していないのと同じじゃないか、といわれるだろうが、
それでも、これ以上こまかいことを書いていこうとは思っていない。
この私の答に納得がいかない人は、
とにかく伊藤先生のアンプの写真をじっくり見てほしい。
納得がいくまで見てほしい。
できれば実物を見てほしいところだが、
メーカーによって大量生産されたアンプではなく、伊藤先生ひとりの手によるアンプだから、
つくられたアンプの数もメーカー製と比べればずっと少ない。
けれど写真はインターネットの普及によって、以前と比較すればずっと多く見ることができる。
できればプロのカメラマンによる写真を見てほしい。
サウンドボーイに発表された伊藤アンプの写真は、由利賢次氏の撮影だった。
オーディオ雑誌に掲載された伊藤アンプの写真の中では、
由利氏による写真が圧倒的によい。
とにかく見る。
じーっと見る。それこそくたくたになるまで見ていれば、伊藤アンプが「まともな」理由が、
理屈としてではなく感覚的に感じられるはずだ。