オーディオ・システムのデザインの中心(その7)
いまのQUAD、いまのマッキントッシュの、
それもアンプのデザインは決していいとはいえない。
好き嫌いは別として、以前のマッキントッシュのアンプのデザインには説得力のようなものがあった。
明るいところで電源が入っていない状態でしか見たことのない人もいるだろう。
マッキントッシュのアンプは、一度でいいからどこかのリスニングルームに置かれ、
少し暗くした状態で電源を入れた時に映える。
いまのマッキントッシュのアンプ、
特にコントロールアンプは安っぽくなった、という印象を拭えない。
アンプそのものが軽く感じられてしまう。
QUADに関しても創業者のピーター・ウォーカーがいなくなってからは、
デザインの統一感に関しては魅力的でなくなってきている。
マッキントッシュも、ゴードン・ガウがいなくなって久しい。
これは仕方のないことなのかもしれない。
オーディオというシステムにおけるデザインについて考えていると、
フランケンシュタインのことが浮んでくる。
フランケンシュタインについては説明は不要なような気もするが、
日本では人の体をつなぎ合せてつくられた怪物の名前がフランケンシュタインだと勘違いされることもある。
いうまでもなくフランケンシュタインは怪物の名前ではなく、
この怪物をつくりあげたスイス人の青年の名前が、フランケンシュタインであり、
怪物には名前はない。