オーディオ・システムのデザインの中心(その10)
以前のQUAD、つまり創始者のピーター・ウォーカーが健在だったころのQUADのシステムを揃える。
アンプはコントロールアンプの33とパワーアンプの303、それにチューナーのFM3の組合せ、
もしくは44と405、それにFM4の組合せがあり、
スピーカーにはESLを持ってくる。
CDプレーヤーは66シリーズになり登場したけれど、アナログプレーヤーはなかった。
ずっと以前、フェランティが製造しQUADが販売していたピックアップがあるくらいだ。
このピックアップは、ウィリアムソン・アンプの設計者であるウィリアムソンと
ピーター・ウォーカーとの共同開発といわれるリボン型カートリッジとトーンアームの一体型であった。
QUADのアナログプレーヤー関連の製品といえば、これだけである。
これ以降、なぜだか発表していない。
1970年代の海外のオーディオショウでQUADのブースの写真をみると、
カラードの401とSMEの3009を組み合わせたプレーヤーがあった。
この組合せもいいけれど、QUADのアンプのコンパクトさとはやや不釣合いの大きさのプレーヤーだから、
そういうことのほかに価格的なバランスを含めて考えると、リンのLP12にSMEの3009の組合せが、
よりしっくりとくる。
こういうシステムを組んだとしよう。
ラックもQUADの雰囲気にぴったりあうものを選ぶ、もしくはつくる。
けれど、これで音を良くしたいからといって、
スピーカーケーブルを部屋の真ん中を這うようにしてしまうと、
これはフランケンシュタイン・コンポーネントと言わざるを得なくなってしまう。