オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(真空管アンプのレイアウト・その1)
ここでいう真空管アンプとは、パワーアンプのことである。
HiVi(サウンドボーイ)編集長だったOさんは、伊藤先生の一番弟子だった。
伊藤先生の弟子を名乗っている人は少なくないようだが、
Oさんの技倆は見事だった。
岡先生のマランツのModel 1のメンテナンスはOさんである。
勤務時間内に作業されていたから、つぶさに見ることができた。
Oさんに頼まれて、いくつかの店にパーツを買いにも行った。
こうやってアンプの修理はするもんだなぁ、と思いながら、その作業を見ていた。
伊藤先生の一番弟子だけあるな、とも思っていた。
私も、以前書いているように、
伊藤先生のシーメンスEdのプッシュプルアンプ(無線と実験発表)に憧れた。
ステレオサウンド編集部のN(Jr.)さんは、Oさんの知り合いのところで、
ウェスターン・エレクトリックの350Bのプッシュプルの音を聴いて、
350Bのアンプづくりの計画をたてていた人である。
Nさんも、また伊藤先生のアンプのことうタブローといい、
伊藤先生のスタイルの350Bのプッシュプルアンプの完成を目指していた。
そういう環境にいたから、
伊藤アンプの、それもパワーアンプの造形について話すことが何度かあった。