ケーブルはいつごろから、なぜ太くなっていったのか(その14)
1980年代後半あたりだったはずだが、
音楽之友社発行のステレオ、レコード芸術で、金子英男氏の自作ケーブルがよく取り上げられていた。
いつごろから始められたのかははっりきと憶えていないし、
どういう形で始められたのかも記憶していない。
最初は市販のケーブルにブチルゴムを巻くことから始められたのかもしれない。
その後世代を重ねて、銅箔を使ったケーブルも自作されていたはずだ。
ブチルゴムの積層もだんだん増えていっていた。
その分だけケーブルは太くなっていく。
なぜ金子氏はブチルゴムをケーブルに巻かれたのか。
振動対策であることは明白であり、
より徹底した振動対策を、ということでブチルゴムはそれ以前よりも多く巻かれていくことになっていた。
ご存知の方もおられるだろうが、一時期、黒田先生も金子式ケーブルを使われていた。
そのころ、きたなオーディオ(汚いオーディオ)という言葉も使われるようになっていた。
音をよくするためには手段を選ばない、
外観も気にしない、
そのことを戒める意味もあっただろうし、揶揄する意図もあったのではないだろうか。
金子式ケーブルも、きたなオーディオのひとつだと受けとめられていた。
そのことは黒田先生もご存知だった。
それでも、金子式ケーブルを使われていた。