Archive for category audio wednesday

Date: 11月 10th, 2015
Cate: audio wednesday

第59回audio sharing例会のお知らせ(スピーカーの変換効率とは)

12月のaudio sharing例会は、2日(水曜日)です。

11月の回で予定とは違うことをやってしまったことは、すでに書いた通りだ。
アルテックのユニットを中心とした喫茶茶会記のスピーカーは高能率型といえる。

11月の回では最後にグレン・グールドのブラームスを鳴らしたことも書いている。
このグールドのブラームスのディスクの一曲目、間奏曲 op.117-1。
この曲の終りの消え入るようなグールドのピアノの音。

この時の音を聴いていて、高能率スピーカーに共通する良さも感じていた。

CDが登場したころにアナログディスクとの比較でよくいわれていたことがある。
アナログディスクはS/N比の確保が難しい。
けれどアナログではノイズフロアーであっても、ノイズの中からピアニッシモを聴き取ることができる。

デジタルはそうではない。ノイズはないけれど、
そういった微妙なニュアンスを伝えるのに欠かせない微弱な音も亡くなってしまう──。

だから、どちらがS/N比がいいとは一概にはいえない。
そんなことがいわれていた。

このことを、実は思い出していた。
11月4日に聴いたグールドのブラームスのピアニッシモは、
アナログディスクで聴いているような感じのピアニッシモに感じられたからだ。

CDも登場してから30年以上が経ち、S/N比は向上してきている。
喫茶茶会記では比較的新しいCDプレーヤーがある。

なので高能率のスピーカーだから、とは言い切れないのはわかっていも、
それでも感覚的には高能率のスピーカーでは、どこまでも耳を欹てている自分に気がつく。
そして、これはアナログディスクの聴き方に共通するところがある、と思っていた。

11月は、結局高能率型スピーカーについて話さなかったので、
12月は上に書いたことも含めて、高能率型スピーカー(スピーカーの変換効率)について話したい。

場所もいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 11月 5th, 2015
Cate: audio wednesday

audio sharing例会(アンプ試聴の会)

毎月第一水曜日に行っているaudio sharing例会は、
2011年2月が一回目なので、2016年1月の会が60回目、まる五年になる。

10月に予告していたアンプの試聴会は、12月に行う予定でいたが、
喫茶茶会記の店主・福地さんの要望と、もうひとつ理由があって1月6日(水曜日)に行うことに決定した。
60回という節目だから、それもいいかもしれない。

今日(すでに昨日になっているが)も例会をやってきた。
予定ではスピーカーの能率について話すつもりだったが、なぜかスピーカーの調整になってしまった。

10月25日に喫茶茶会記のスピーカーのエンクロージュアが新しくなった。
ユニットはアルテックのユニットそのままで、ウーファーのエンクロージュアのみ、
ジェンセンがオリジナルのウルトラバスレフ型(日本では昔オンケン箱とも呼ばれていた)タイプになった。

エンクロージュアが新しくなって二週間も経っていない。
調整も本格的には行われていない状態。
とにかく音を出してもらって聴いた。

自由にいじっていいとのことで、予定を変更して今回来てくださった方の前で、調整をはじめた。
最初から調整を行う予定であればCDを持参して行くのだが、今回はまったくの手ぶら。
喫茶茶会記にあるクラシックのCDで、調整をはじめる。

何をどういじった(調整)したのかは具体的に書くようなことではないので省くが、
ケーブルを変えたりアクセサリーの類は使っていない。
何も足さずに何も引かずに調整してきた。

抜本的に手を加えなければならない点もみつかった。
これは後日なんとかするとして、約二時間、スコーカーとトゥイーターだけを動かしての調整。

音はそうとうに変っていった。
来てくださった方も満足して帰られた。

その後、店主の福地さんにも聴いてもらった。
まるで違う、という感想だった。
ふたりであれこれディスクを変えて聴いていたところに、
喫茶茶会記の常連の方が来られた。

このOさんは、すでに新しくなったスピーカーの音を聴かれている。
オーディオマニアの方ではない。
Oさんも、前回の音と全然違う、といってくれた。
そして中央の位置から立ち上って、部屋の左右に移動。

私が調整する前の音は左右のスピーカーの中央でしかまとなに鳴っていなかったけれど、
今日の音は部屋の隅に行ってもちゃんと鳴っている、とのこと。

まだまだやりたいことはあるし、
もっともっとよく鳴ってくれるスピーカーではあるが、
喜んで聴いてくれる人がいる音にはなっている。

1月6日の60回のaudio sharing例会までにはもっと調整しておきたい。
アンプもいくつか集まる予定である。
楽しい試聴会ができそうだ。

12月の例会は、別のテーマで行います。

Date: 10月 27th, 2015
Cate: audio wednesday

第58回audio sharing例会のお知らせ(スピーカーの変換効率とは)

11月のaudio sharing例会は、4日(水曜日)です。

別項でオンキョーのスピーカーシステムGS1について書いている。
GS1の、能率を犠牲にしたシステムとしてのまとめ方について書いているところだ。

変換効率を犠牲にして周波数特性をよくするのは、GS1だけではない。
他にもいくつかの例がある。

スピーカーは変換器である。
変換効率は変換器として重要な項目であるはずなのに、
アンプの進化によってプライオリティは低くなっている。

私は、いま100dB/W/mをこえるスピーカーを鳴らしている。
98dB/W/mのスピーカーユニットを鳴らしていたこともある。

90dB/W/m以下のスピーカーもいくつか使ってきた。

やはり変換効率の高さは、いまも重要だと確信している。
それでも単に無響室での出力音圧レベルの値と初動感度の良さは、
完全に一致するとは感じていない。

本来ならば、出力音圧レベルが同じであれば初動感度も同じのように考えられそうだが、
聴感上の初動感度も出力音圧レベルも、また何かの要素が関係している。

今回は、スピーカーの変換効率と関連することについて話したい。

場所もいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 10月 18th, 2015
Cate: audio wednesday

第58回audio sharing例会のお知らせ

11月のaudio sharing例会は、4日(水曜日)です。

テーマはまだ決めていません。
時間はこれまでと同じ、夜7時です。

場所もいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 10月 8th, 2015
Cate: audio wednesday

audio sharing例会(予定)のお知らせ

毎月第一水曜日に行っているaudio sharing例会は、
四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースを借りている。

喫茶茶会記のスピーカーはふたつある。
ひとつは渋谷のあるジャズ喫茶で鳴らされていたモノが、
そのジャズ喫茶の閉店によって喫茶茶会記で鳴らされる。

アルテックのユニットを使ったモノである。
かなり使い込まれていて、今回エンクロージュアを新調することになった。
今月中には新しいエンクロージュアが届く予定だそうだ。

どんな音になるのか、
実際にエンクロージュアが届き、ユニットを装着してみなければわからないが、
せっかくの機会だから、いくつかアンプを持ち込んでみようという話になった。

11月か12月のどちらかの例会で行う予定である。
アンプは常連のKさんのコレクションをいくつかをお借りして、ということになる。
最新アンプの比較試聴とはまったく違う、
眉間にしわ寄せて聴くというものとも違う、
アンプによって、新調されたスピーカーがどう鳴ってくれるのかを楽しもうというものである。

Date: 10月 3rd, 2015
Cate: audio wednesday

第57回audio sharing例会のお知らせ(ヤマハ NS5000をどう評価するか)

今月のaudio sharing例会は、7日(水曜日)です。

ヤマハのNS5000の、ネット上での評価は芳しくないもののほうが多いようである。
facebookでも、ヤマハの音づくりはおかしいのではないか、という意見ももらった。

インターナショナルオーディオショウの二日目、NS5000の音を聴いて私は昂奮していた。
けれど他の人たちはどう感じているのかについては、
どちらかといえば悪い評価の方が多いはずだとも思っていた。

ネットで見る限りは、やはりそうであるようだ。

私が危惧しているのは、そういう意見によって軌道修正され、
今回のインターナショナルオーディオショウで私が感じたNS5000の良さがなくなってしまわないか、である。

リヒテルはヤマハのピアノについて語っている。
     *
なぜ私がヤマハを選んだか、それはヤマハがパッシヴな楽器だからだ。私の考えるとおりの音を出してくれる。普通、ピアニストはフォルテを重視して響くピアノが良いと思っているけれど、そうじゃなくて大事なのはピアニッシモだ。ヤマハは受動的だから私の欲する音を出してくれる。
     *
NS5000も、その意味では受動的な、パッシヴなスピーカーシステムである。
アクティヴなスピーカーシステムを求めている人にとっては、
NS5000の音は箸にも棒にもかからない音であっても不思議ではない。

パッシヴなスピーカーだからといって、音が死んでいるとか生気がないとかではないのはもちろんだ。
ネガティヴな意味でのパッシヴなスピーカーではなく、ポジティヴな意味でのパッシヴなスピーカーである。

その意味で、ヤマハの音づくりは、果たしておかしいのか間違っているのだろうか。
音づくりとは、音作りなのか、音創りなのか。
たいていの場合は、音作りである。

けれど私はヤマハのNS5000には音創りを目指しているところがあるように感じた。

時間はこれまでと同じ、夜7時です。
場所もいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

場所もいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 9月 28th, 2015
Cate: audio wednesday

第57回audio sharing例会のお知らせ(ヤマハ NS5000をどう評価するか)

10月のaudio sharing例会は、7日(水曜日)です。

インターナショナルオーディオショウをじっくりと見て聴くことができていたら、
今回のテーマはショウ雑感にしようかな、と考えていたが、わずかな時間しか会場にいられなかった。

別項で書いているように、ヤマハの新しいスピーカーシステムNS5000には、
予想以上の音が体験できて正直驚いている。

他にも注目のスピーカーシステムがあったことは知っている。
それらが高い評価を得ていることはインターネットを通じてわかる。

そういうスピーカーの音を今回は聴けなかったし、
インターナショナルオーディオショウで鳴っていた音だけを比較して、
それぞれのスピーカーシステムについてあれこれいうのは極力控えるようにしている。

ヤマハのNS5000の音をどう評価するのかは、人によって違っている。
私と同じように高く評価する人もいれば、そうでない人もいる。
高く評価している人でも、私の聴き方と同じ聴き方での評価ではおそらくないと思うし、
その人なりの聴き方での高い評価のはずだ。

NS5000の登場を、嬉しく思っている。
それでは満点がつけられるスピーカーなのいかというと、そうではない。
そうとうに気になる点があった。

ただそのことに関しては、自分の手で鳴らしてみたわけではないし、
その問題点が試聴用ディスク(二枚に共通していた)に起因することなのか、
それとも別のところに問題があってことなのかがはっきりとしないから、
ここでは触れないことにする。

それにNS5000は試作品である。
発売は2016年7月の予定である。
一年近く発売まであるわけで、私が感じた問題点がほんとうに問題点なのか、
だとしたらヤマハがどう処理するのか、その時間はたっぷりとある。

NS5000の音の細かなことについては語ろうとは考えていない。
それよりも、NS5000というスピーカーシステムが「日本のオーディオのこれから」を語る上で、
どういうスピーカーシステムであるのか、そのことについて話したいと考えている。
同時に、インターナショナルオーディオショウという場で、
どういう聴き方をするのかについても触れるつもりでいる。

時間はこれまでと同じ、夜7時です。
場所もいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

場所もいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 9月 17th, 2015
Cate: audio wednesday

第57回audio sharing例会のお知らせ

10月のaudio sharing例会は、7日(水曜日)です。

テーマはまだ決めていません。
時間はこれまでと同じ、夜7時です。

場所もいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

第56回audio sharing例会のお知らせ(ステレオサウンド 200号まで一年)

今月のaudio sharing例会は、2日(水曜日)です。

明日(9月2日)、ステレオサウンド 196号が書店に並ぶ。
ステレオサウンドのウェブサイトに196号の告知が公開されている。

特集1は《ハイエンド・デジタル》。
これよりも私が、おやっ、と思ったのは、特集2の方である。
タイトルは《DIG 聴いて解く「注目機の魅力」》。

「聴いて解く」とある。
ここに興味を持った。

いま別項で、ステレオサウンド編集部は間違っている、ということについて書いているところだ。
川崎先生がブログで書かれている「応答・回答・解答」、
それから川崎先生が以前からいわれている「機能・性能・効能」、
これらに受動的試聴、能動的試聴を加えれば、ステレオサウンド編集部について語れる。

私がステレオサウンドがつまらなくなったと感じている理由のひとつには、
記事の大半が応答記事になってしまったことにある。
そのことについて、これから書くつもりのところに、
今回の《DIG 聴いて解く「注目機の魅力」》というタイトルである。

編集部がどういう意図で、このタイトルにしたのか、
つまりタイトルに「解く」をいれたのか、
まだ記事を読んでいないし、読んでも伝わってくるのかどうかもなんともいえない。

だが、タイトルに「解く」とある。
この「解く」を編集部は理解しているのか、とも思う。
応答記事ばかりをつくってきて、いきなり「解く」である。

川崎先生は8月26日のブログ『デザインは解である』で、
話題=topicsに対する応答=reply
課題=questionに対する回答=answer
問題=problemに対する解答=solution
と書かれている。

196号の特集2のタイトルは、聴いて解くのあとに「注目機の魅力」と続いている。

注目機とは、いわば話題であり、そこにステレオサウンド編集部は「解」を当てている。
しかもDIGが頭についている。

仮に充分に理解しているとしよう。
特集2は、傅信幸氏、三浦孝仁氏、小野寺弘滋氏が書かれている。
この三人に、編集部の「聴いて解く」の意図は伝わっているのか、
書き手は「聴いて解く」をどう解釈しているのか。

これまでのような書き方であっては、「聴いて解く」には到底ならない。
「聴いて解く」とつけられた記事を書くのであれば、
かなりの覚悟が書き手には必要だし、いうまでもなく能力も求められる。

ほんとうに「聴いて解く」なのか、
読み手は「読んで解く」ことができるわけだ。

場所もいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

第56回audio sharing例会のお知らせ(ステレオサウンド 200号まで一年)

9月のaudio sharing例会は、2日(水曜日)です。

ステレオサウンドの「第一世紀」の始まりとなった創刊号。
「第二世紀」の始まりとなった101号。

この二冊のステレオサウンドは、そこから始まる「次の世紀」の100冊を見据えての存在だったのか。

創刊号は、日本ではじめてのオーディオ専門誌としての登場ということもあって、
原田勲編集長の方針は、かなりはっきりしていたように感じる。

このことはステレオサウンド 50号の巻頭座談会で岡先生も述べられている。
     *
 いま創刊号を見直してみると、原田編集長は初めからかなりはっきりした方針をたてて、この雑誌を創刊されたように思います。それは、コンポーネント志向ということですね。もちろん創刊号では、当時の主力製品だった、いわゆるセパレートステレオみたいなものを、総括的に紹介するなど、かなり雑然としたところは見受けられるけれども、中心的な性格としてはコンポーネントを主力としている。こういう打ち出し方をした雑誌は、当時はほとんどなかったといってもいいわけで、だからほくはひじょうに新鮮な印象を受けたのです。
     *
101号はどうだろうか。
101号は24年前(1991年12月)に出ている。
特集はコンポーネンツ・オブ・ザ・イヤー(現在のステレオサウンド・グランプリの前身)とベストバイ。
残念だが、101号に「第二世紀」の始まりとなる内容は見受けられない。

ならば来年冬に出る201号も、101号同様でいいのではないか。
なぜ201号に、「第三世紀」の始まりにふさわしい内容を求めるのか。

101号のころはバブル期真っ只中だった。
インターネットも普及していなかった。
雑誌はそれまでの時代と違うモノへと変っていた時代でもある。
広告収入と本が売れることによる利益との差が拡大していった。

いまはどうだろう。
インターネットが驚くほどのスピードで普及していった。
10年前までは、インターネットは自宅か会社でパソコンの前に坐り利用するものだった。
それがいまではスマートフォンの登場で、いつでもどこでも快適に利用できる。

ウェブサイトの数も大きく増え、SNSの登場と普及、
それに雑誌の売行きの変化、書店数の減少、広告の減少(101号と最新号を比較してみれば一目瞭然だ)など、
雑誌の周囲は、「第一世紀」と「第二世紀」との違いとは比較ならないほど、
「第二世紀」と「第三世紀」と違ってきている。

だからこそ201号はステレオサウンド「第三世紀」の始まりであることを、
創刊号、101号よりももっともっと深く考えていかなければならない、と思うのだ。

場所もいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

第56回audio sharing例会のお知らせ(ステレオサウンド 200号まで一年)

9月のaudio sharing例会は、2日(水曜日)です。

9月2日は、ステレオサウンド 196号の発売日である。
あと一年(四冊)で、ステレオサウンドは200号(50年)を迎える。

「暮しの手帖」は、初代編集長の花森安治氏の「100号ごとに初心に立ち返る」のもと、
発行号数は100号ごとに「第n世紀」と区分けされている。

つまり来年冬(201号)からステレオサウンドの「第三世紀」が始まる。

ステレオサウンド編集部は200号(50年記念号)の特集を、
すでに企画していることだろう。
それがどんな企画で、どういう構成でまとめられるのか楽しである(期待はしていない)。

だが大事なのは、その次の号(201号)ではないのか。
201号から「第三世紀」が始まるのだから、
そこから始まるステレオサウンドの100冊のための大事な出発点となる。

だが残念なことに冬号の企画はすでに決っている。
ステレオサウンド・グランプリとベストバイである。
このふたつだけで相当なページが割かれる。

「第三世紀」が始まる号で、いきなりステレオサウンド・グランプリとベストバイ……。
ステレオサウンド編集部が真剣に考え取り組まなければならないのは、ここではないだろうか。

今回はステレオサウンド編集部は、何が間違っているのかについて話したい。

場所もいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
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Date: 8月 15th, 2015
Cate: audio wednesday

第56回audio sharing例会のお知らせ

9月のaudio sharing例会は、2日(水曜日)です。

テーマはまだ決めていません。
時間はこれまでと同じ、夜7時です。

場所もいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
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Date: 8月 3rd, 2015
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第55回audio sharing例会のお知らせ(組合せのこと)

今月のaudio sharing例会は、5日(水曜日)です。

ステレオサウンド 88号の特集は組合せである。
タイトルは「最新コンポーネントによるサウンドデザイン24」となっている。

特集の巻頭に菅野先生が「オーディオコンポーネントにおけるサウンドデザインとは」を書かれている。
ただし、この文章の中に、サウンドデザインという単語は使われていない。

実際の組合せ記事の前に、倉持公一氏によるインタヴューが見開きで載っている。
そこで菅野先生は、サウンドデザインについて語られている。
     *
何と何を組み合わせても不都合がおきることもない……今日の機械そものが、そのようにつくられいてるのだから……。
 機械がそこまで進歩したことによって、「組合せ構成」は機械相互の問題というより、機械とそれをつかう個人の行きかたという問題になってきた。
 まず自分のためにもっとも好ましい装置をデザインする……。それに共感し、それとそっくりのものを他の人が使うようになる……。「サウンドデザイン」という言葉を、ぼくはそのように捉えたい……。
     *
長島先生は、というと……。
     *
 ぼくにとってのオーディオとは自分の世界の内側の延長線上で、自分と一体になった感じのものだと思うんです……。
 一方、デザインという言葉はあまりに手垢にまみれている。なにかというとデザインという言葉がつく。それに対して拒否反応を起こしている。「軽い」と言いたくなってしまう……。
 そんなふうに考えてくると、ぼくのオーディオは、「デザイン」という言葉では言いあらわすには、あまりにも重い……。
     *
88号のときは、まだステレオサウンドの編集者だった。
けれど、このころは、デザイン、さらにサウンドデザインという言葉について深く考えていなかった。

88号を読み返しても、「オーディオコンポーネントにおけるサウンドデザインとは」の答は得られない。

時間はこれまでと同じ、夜7時です。

場所もいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
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Date: 7月 29th, 2015
Cate: audio wednesday

第55回audio sharing例会のお知らせ(組合せのこと)

8月のaudio sharing例会は、5日(水曜日)です。

瀬川先生がステレオサウンド 56号で提示された予算30万円の組合せ。
KEFのModel 303、サンスイのAU-D607、パイオニアのPL30LにデンオンのDL103D。
これらのなかで、56号を読んだ時に聴いたことがあったのはDL103Dだけだった。

KEFの他のモデルは聴いていた。
サンスイのアンプも同じだった。
それでも瀬川先生の組合せの意図は充分伝わってきたし、
そこで鳴るであろう音も想像できた。

だからこそ、この組合せが印象に残っている。

一方、同じ予算30万円の組合せでも、ステレオサウンド 99号での別の人の組合せは、
読み返しても、そこで鳴ってくるであろう音がほとんど想像できなかった。

56号、99号、そこでの組合せについて費やされている文字の量は99号の方が多い。
99号の組合せで登場する機種のいくつかは聴いていた。
にも関わらず、伝わってくるものが、少なくとも私には稀薄だった。

56号の組合せと99号の組合せを比較して、どちらがいい音なのかについて語りたいわけではない。
組合せの記事として違いについて、あれこれ考えてしまう。

時間はこれまでと同じ、夜7時です。

場所もいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
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Date: 7月 23rd, 2015
Cate: audio wednesday

第55回audio sharing例会のお知らせ(組合せのこと)

8月のaudio sharing例会は、5日(水曜日)です。

組合せについて書くのは面白い。
ステレオサウンドに、それらの組合せが載った時にも面白いと感じていた。
いま読み返しても、やはり面白いと感じている。

もちろん同じように感じている面白さもあれば、当時は気づいていなかったか面白さもある。

そして、いまのオーディオ雑誌の組合せに面白さを感じなくなっている。

別項「オーディオ入門・考」の(その10)で、
瀬川先生による、予算約30万円の組合せのことについて書いた。
そういえばと、同じテーマで同じ予算の組合せが、ステレオサウンド 99号に載っている。

第二特集の「評論家10人が答える音のグレードアップ法40」の中で、
いろいろな音楽を楽しむためのオーディオシステムを予算30万円で、という質問があった。

この質問にふたつの組合せが答えられていた。
99号は1991年、56号は1980年。10年ほどの開きがあるわけで、物価も変動している。
いろいろな変化があったことはわかっている。
それでも……、と感じてしまう。
まったく印象に残らない組合せが、そこに提示されていた。

この記事を憶えていたのは、印象に残らないからであった。
つい最近もステレオサウンドの特集で「黄金の組合せ」とつけられていた。

昔の組合せといまの組合せが違うのは、
組合せをつくる人、編集者も組合せを楽しんでいるのか、というふうに思えてくる。

「楽しんでつくっている」と、いまの組合せをつくっている人、編集者からいわれるかもしれない。
そうだとしても、その楽しさが誌面から伝わってこない。

それはお前が読みとれていないだけだ、といわれればそうなのかもしれない。
けれど昔の組合せからは、いまも読みとれるものがある。
少なくとも「組合せ」として提示されるいろいろなものが変ってきている。

組合せとオーディオの想像力。
このあたりをテーマにして話していこうと考えている。

時間はこれまでと同じ、夜7時です。

場所もいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。