第60回audio sharing例会(アンプを愉しむ・その3)
昨夜、私にとって驚きといえることもあった。
喫茶茶会記のお客さん、つまりオーディオには何の関心もない人が、
途中から参加された。
アンプの音は一通り聴いた後だった。
三人のうち、ひとりはプロのダンサーということだった。
少し聴かれていたら、「踊ってもいいですか」ときかれた。
ことわる理由は特にないので、踊ってもらった。
こういうことが起るのは、ここが喫茶茶会記だからである。
オーディオ雑誌の試聴室やオーディオ店では、こういうことは起きない。
そんなこと起きない方がいい、と思う人が多いのかもしれないが、
少なくとも昨夜鳴っていた音は、プロのダンサーが踊りたくなる音であったのだろう。
踊れない音、というものもあると思う。
三人のうち一人は女性だった。
「バグダッド・カフェのような感じがする、なぜだろう……」とくり返していた。
そういえば、バグダッド・カフェ(映画)を観ていないことに気づき、
そもに対して、何の返答もしなかったけれど、ここでの「バグダッド・カフェのよう」は褒め言葉だった。
少なくとも、昨夜鳴っていた音の何かが、彼女にバグダッド・カフェを想起させたのかもしれない。
23時をすぎたころ、プロのダンサーの人が、今度は椅子にこしかけて、
真剣に鳴っている音(音楽)を聴いている姿は、印象に残っている。
背筋をのばして、両手は膝の上において正しい姿勢で聴かれていた。
この時、別のところをいじって、音を変えていた。
その音の変化に対しても、彼にとっては初めての体験であっただろうが、
真剣に耳を傾けている姿は、ここ(喫茶茶会記)で、
こういうことをやった意味があったかも、と思わせてくれた。
まだまだやりたいことはいくつもあった。
喫茶茶会記のアルテックの音は、まだまだ良くなる余地がそうとうにある。
私のスピーカーではないから、あえて積極的には手を出さないようにしている。
それでもこの一年で、少しずつあれこれ店主の福地さんをそそのかしてやっていこうとたくらんでいる。
今日、片付けに喫茶茶会記に昼間行っていた。
Kさんとふたりで片付けながら、またやりたいですね、と話した。