Archive for category audio wednesday

Date: 3月 7th, 2016
Cate: audio wednesday

マッスルオーディオで聴くモノーラルCD(その4)

アースの処理をどうしたのか、具体的に書くことも考えたが、
20数年前、今回と同じ考えのひとつを、ある人のシステムでやったことがある。

効果は大きかった。
それまで使用していたケーブルに基本的には手を加えただけだから、
ほとんど費用は発生していない。

その人の部屋はかなり広く、コントロールアンプとパワーアンプ間は、
6mほどのケーブルが使われていた。
その時私がやったことはケーブルが長いほど効果は大きくあらわれるから、
その人は当然驚いたが、私も想像以上の変化に少し驚いた。

だから彼は、別の人の部屋にいって、アースまわりをいじっている。
本人は私がやったことを正しく理解して、別の人のところでそれを応用・実践したつもりだったのだが、
私が後日、そこに行ってみると、むちゃくちゃだった。

何をやったのかは、その人に説明してあった。
彼の目の前で説明しながらの作業を行った。
けれど彼は何ひとつ理解していなかったことが、
彼がやったアース処理をみてはっきりした。

当時以上はいまのほうが、アースに関することを見聞きする。
アースのループが……、といったことがいわれている。

でもどれだけの人がアースについて理解しているのだろうか。
アースは難しい。

私のマネをした人は、当時オーディオ関係の仕事をしていた。
いわばオーディオのプロフェッショナルであった。
本人もそういう自覚があった、と思っている。

けれど実際にはどうだったのか。
それを考えると、言葉だけで伝えているここで、アースの配線をどう処理したのかを、
具体的に書くことは控えたい。

Date: 3月 7th, 2016
Cate: audio wednesday

マッスルオーディオで聴くモノーラルCD(その3)

クロスオーバー周波数を当初の考え(635Hzあたり)から、
実際の720Hzあたりに変更したのは、ドライバーの安全を考慮してではない。

今回の音出しのアンプはマッキントッシュのMA2275。
このアンプの入力インピーダンスは22kΩとなっている。

ハイパスフィルターに使ったコンデンサーの値は0.01μF。
この容量のコンデンサーと22kΩの抵抗とでは、約723Hzのカットオフ周波数となる。

0.01μFにもっと小容量のコンデンサーを並列に接続して、
容量の調整をしていけば635Hzあたりに設定できた。

けれど、0.01μFよりも一桁小さな容量のモノは、
今回使用したコンデンサーにはない。
そうなると別のコンデンサーを使うことになる。

ここは考えによる。
私は別の種類のコンデンサーを並列することを嫌い、0.01μFでいくことにした。
私と違う考えの人ならば、正確に635Hzになるようにコンデンサーの容量を調整するだろう。
どちらがいいのかはそれぞれが判断すればいいこと。

MA2275の入力インピーダンスが低ければ(10kΩぐらい)、
同一品種のコンデンサーで容量の調整が行え、635Hzあたりのクロスオーバー周波数にしていた。

ローパスフィルターは720Hzあたりになるようにコンデンサーの容量は、並列接続で調整した。
もちろん同メーカー、同型番のコンデンサーを使って、である。

それでもあくまでも調整できる範囲内であって、
きっちりハイパスフィルターと合せてはいない。

ハイパスフィルターはコンデンサーがひとつ、
ローパスフィルターは抵抗がひとつにコンデンサーがふたつ。
ハイパスフィルターのコンデンサーはRCAプラグ内に収めた。

簡単なフィルターだが、アースの処理には気を配っている。
フィルター(ローパス側)はアースのリターンに配慮している。
同時に全体のアースも同様である。

Date: 3月 6th, 2016
Cate: audio wednesday

マッスルオーディオで聴くモノーラルCD(その2)

マッスルオーディオと自分で名づけたぐらいだから、
6dBスロープでユニット(ドライバー)の破損を気にしながら、
おっかなびっくりでボリュウムをいじるようなことはしたくなかった。

マッスルオーディオである以上、思い切って、必要とあれば音量をあげる。
それでもしダイアフラムが破損したとしても、
誰かのモノではなく、私のモノだから、気にすることもない。

私だって壊したくはない。
けれど、壊したくない気持だけを優先するぐらいならば、
最初からこんな企画を考えなければいいだけの話だ。

自分で名づけて自分で決めた企画だから、
そこでの破損はすっぱりあきらめる。

よくスピーカーを大音量で破損させたことを自慢する人がいる。
自慢しなくとも、まわりが、さもそのことがすごいことのように語っていくことがある。

たとえばメーカー、輸入商社から借りたスピーカーを、
試聴室で音量をあげすぎて破損させる。
もしくはインターナショナルオーディオショウなどの場で、やはり音量のあげすぎで破損させる。

このことを、すごいこととして受けとめる人たちがいる。
ほんとうに、それはすごいことだろうか。

岩崎先生がご自身のJBLのドライバーのダイアフラムを金属疲労でボロボロ(粉々)にされたのと、
借用品を、いわば使い方を誤って破損させたのでは、意味合いがまったく違う。

岩崎先生の例をすごいというのであれば理解できる。
けれど借用品の場合は、私はそうは思えない。

壊した人は、内心忸怩たる思いだったのではないのか。
試聴室、オーディオショウで鳴らす人は、いちおうはオーディオのプロフェッショナルである。
そういう人が、なんらかの理由でスピーカーを壊してしまった。

壊してしまった本人が、どうだ、オレはすごいだろう、と吹聴されているのであれば、
ご勝手に……、と思うしかない。

けれどそうでない場合、本人の内心は第三者にははっきりとしたことはわからない。
にも関わらず、まわりが、そのこと(ミス)をすごいと持て囃すのには違和感をおぼえてしまう。

Date: 3月 6th, 2016
Cate: audio wednesday

第63回audio sharing例会のお知らせ(muscle audio Boot Camp もうひとつのテーマ)

“Pavarotti Forever”

タイトルからわかるように、ルチアーノ・パヴァロッティの追悼盤として二枚組のCD。
二枚目の12曲目に”Caruso”が入っている。

パヴァロッティが歌ってきたものすべてを聴いているわけではないが、
それでも、この”Caruso”はパヴァロッティの最高の歌唱だと思っている。
未聴の方は、ぜひ聴いてほしい。

“Caruso”を以前、JBLのDD66000で、ある人の部屋で聴いていた。
最初鳴ってきた音は、お世辞にもいいとはいえなかった。
DD66000の位置、角度などを調整してからの”Caruso”はよかった。

パヴァロッティは、なんていい声をしているんだ、としみじみ思いながら聴いていた。
満足すべき鳴り方といえばそういえなくもなかったし、
DD66000の持主も非常に満足していた。”Caruso”を何度もくり返し聴いていた。

だから口には出さなかったけれど、
そこで鳴っていたパヴァロッティは、どう聴いてもスマートなのである。

あなたはパヴァロッティですか、とたずねたくなるほど、スマートなイメージしか伝わってこなかった。
ホセ・カレーラスが、パヴァロッティの声で歌っている……、そんなふうにきこえた。
パヴァロッティがどういう体躯だったかは書かなくともいいだろう。

“Caruso”に限らない、パヴァロッティによる歌を聴くのであれば、
その音からパヴァロッティの体躯がイメージできる音で、私は聴きたいと思っている。

4月のaudio sharing例会”muscle audio Boot Camp”のもうひとつのテーマは、
このパヴァロッティの”Caruso”をパヴァロッティらしく聴くことである。

Date: 3月 6th, 2016
Cate: audio wednesday

第63回audio sharing例会のお知らせ(muscle audio Boot Camp)

4月のaudio sharing例会は、6日(水曜日)です。

ステレオ以前、すべての人がモノーラルで聴いていた時代には、
今回のaudio sharing例会でやったと同じようなシステムで聴いていた人はいたと思う。

15インチ口径ウーファーをダブル、
4インチ口径ダイアフラム・2インチスロートのコンプレッションドライバーもダブル、
そしてパワーアンプはそれぞれのユニットごとに用意した、いわゆるマルチアンプ。
こういうシステムで鳴らしていた人は、当時の日本では少なかっただろうが、
アメリカならばけっこういたのではないだろうか。

日本でもアメリカでも、モノーラルからステレオに移行したとき、
モノーラルに本格的なシステムを組んでいた人ほど、
ステレオへの移行が遅かった、という話はよく聞いている。

もうワンセット、これまで聴いてきたシステムと同じモノを揃える。
それはけっこう労力のいることで、もしかすると、こんな例もあったかもしれないと思っている。

ウーファーもコンプレッションドライバーもダブルだから、
それぞれを左右チャンネルにふりわける。
ホーンを一本とシングル用のスロートアダプターだけを用意すれば、
スピーカーは左右チャンネルで揃う。

アンプはマルチアンプ(バイアンプ)だったのを、
LCネットワークにすれば、パワーアンプに関してはそのままいける。

あとはコントロールアンプとアナログプレーヤーをステレオ仕様(対応)にすればいい。

これはまったくの空想なのだが、
ステレオへの移行時期には実際にあった例と紹介しても納得してもらえるだろう。

今回の”muscle audio Boot Camp”では、これと同じこと(これと近いこと)を試してみたいと考えている。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 3月 4th, 2016
Cate: audio wednesday

第63回audio sharing例会のお知らせ(muscle audio Boot Camp)

4月のaudio sharing例会は、6日(水曜日)です。

今回行った「マッスルオーディオで聴くモノーラルCD」の準備でたいへんだったのは、2441の移動である。
私のところから喫茶茶会記までの移動手段。
車を持っている人ならばなんでもないことだが、
車も免許も持っていない私には、約30kgのモノの移動は、
それが特にスピーカーであるだけにたいへんに感じていた。

「マッスルオーディオで聴くモノーラルCD」が終ったのは23時すぎ。
その後片付けで、喫茶茶会記を後にしたのは23時半をまわっていた。
この時間になると、持ち帰ろうという気が失せていた。
それで後日引き上げにくるということで置いて帰宅した。

今日、思った。
2397をあと一本、それからスロートアダプターの2328を持っていけば、ステレオで鳴らせる。
ということで来月のaudio sharing例会は、
今回モノーラルで鳴らしたスピーカーを左右に分けてのステレオ再生にする。

テーマは”muscle audio Boot Camp”とする。
具体的なことはまだ決めていないが、Boot Campといえる音出しにできればと考えている。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 3月 3rd, 2016
Cate: audio wednesday

マッスルオーディオで聴くモノーラルCD(その1)

昨夜(3月2日)は、audio sharing例会。
テーマは「マッスルオーディオで聴くモノーラルCD」だった。

JBLのコンプレッションドライバー2441をダブルで鳴らしたい、というのが元になった企画だった。
ホーンはすでに書いているように、2397。
JBLのカタログではクロスオーバー周波数は800Hzとなっている。

けれど実際には、もう少し下の周波数でもたいていの場合、いける。
ステレオサウンドが1981年ごろ連載していたユニット研究では800Hzの他に、
500Hzさらには400Hzでも試聴している。

JBLのカタログをみればすぐにわかることだが、
コンシューマー用ホーンとプロフェッショナル用ホーンとでは、
同一のモデルであってもクロスオーバー周波数は、前者の方が低く表記されている。

コンシューマー(家庭)とプロフェッショナルが使う現場での音圧の違いが、
このクロスオーバー周波数の違いとなっている。

2397はプロフェッショナル用ホーン。
ならばコンシューマーユースであれば、800Hzよりも低い周波数でもいける。

昨夜は720Hzあたりでクロスさせた。
最初はもっと低い周波数を考えていた。
40万の法則があり、40万の平方根である635Hzあたりを考えていた。

デヴァイディングネットワークは最初からパッシヴ型を考えていた。
コンデンサーと抵抗だけてハイパスフィルターとローパスフィルターをつくる。

12dBのスロープ特性ならばCR型フィルターの二段構成でいける。
設計(というよりも計算)を終えて、秋葉原に必要なパーツを買いにいこうという段階で、
12dBのスロープ特性はやめよう、と決めた。

個人的に12dBのスロープ特性に、あまりいい印象はもっていない。
ならばOPアンプも使いアクティヴ型にしようかとも考えた。

結果的には、6dBスロープの、もっとも簡単なフィルターにした。
720Hzあたりのクロスオーバー周波数で、6dBのスロープ特性。
大丈夫なのか、と思われる人もいるはず。

私も大丈夫かな……、と少しは不安があった。
マッスルオーディオと名づけたぐらいだから、かなりの音量は出すつもり。
JBLのホーンのクロスオーバー周波数は12dBスロープでの値である。

6dBのスロープのフィルターを自作したことある人ならば、
ウーファーをハイカットしても、かなり上の帯域まで聴こえることを体験されている。
私ももちろん体験している。

ウーファーはいい。
6dBのフィルターを使って、大入力でもユニットが壊れることはない。
心配なのはドライバーである。
ゆるやかにしか減衰しない低域信号が入力されて、どこまで耐えられるのか。

安全策としては12dBである。
けれど6dBでやることにした。

Date: 3月 1st, 2016
Cate: audio wednesday

第62回audio sharing例会のお知らせ(マッスルオーディオで聴くモノーラルCD)

明日のaudio sharing例会の追加情報です。

今回の試聴機材は喫茶茶会記常設のモノを使います。
CDプレーヤーはラックスのD38u、アンプはマッキントッシュのMA2275でしたが、
ここにMytekのManhattanが加わることに。

Manhattanにはモノーラル出力モードがあり、ステレオCDもモノーラルに変換して鳴らせます。
USB入力もあります。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 2月 29th, 2016
Cate: audio wednesday

第62回audio sharing例会のお知らせ(マッスルオーディオで聴くモノーラルCD)

3月のaudio sharing例会は、2日(水曜日)です。

昨夜、2397に2328を介して装着している2441を取り外し、
2328のかわりに2329を介して、2441を二発、一本の2397に取りつけていた。

今週の水曜日に行う「マッスルオーディオで聴くモノーラルCD」に備えてである。

以前、別項「趣味のオーディオとしてのカタチ(その1)」でも書いているが、
2397にはカタチとしては2441よりも2421サイズのコンプレッションドライバーの方が、サイズ的にしっくりくる。

音はともかくとして、2397に2441は大きいと感じるからだ。
にもかかわらず2397に、そんな2441をダブルで取りつけると、
オーディオが男の趣味として、オーディオ機器が存在していると、強く感じさせる。

2397+2329+2441×2は、マッスルオーディオといえるカタチをしている。
音は……、水曜日に聴ける。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 2月 25th, 2016
Cate: audio wednesday

第62回audio sharing例会のお知らせ(マッスルオーディオで聴くモノーラルCD)

3月のaudio sharing例会は、2日(水曜日)です。

今回の音出しは、どういう音が鳴ってくるのか、予想できるところとそうでないところがあると思っている。
事前にJBLのドライバーとホーンを搬入して、
音を出せれば、その音に応じて当日までに対策することもできるが、
今回は当日に搬入しての音出し。

ウーファーが同じJBLならば予想できるところは大きくなるが、
アルテックのウーファーであり、アルテックとJBLの混成システムの経験は私にはない。

なので当日ぶっつけ本番で音を出す。
どんな音が出てくるのか。
ひどい音にはならないはずだが、
現代的なオーディオ機器の音とはずいぶん違う音は鳴ってくるはずだ。

アルテックの416-8Cはそれほど低域が延びているわけではないし、
高域もエッジが改良されレンジが延びているとはいえ、4インチ・ダイアフラムの2441であるから、
どんなにがんばっても15kHzくらいが限度だ。

ナロウレンジの高能率のシステムを、管球式プリメインアンプでバイアンプ駆動する。
それは手本のような音とは大きくかけはなれているであろう。
そういう意味では、まったく参考にならない音と判断される方も出てくると思う。

そういう音を出そうとはまったく考えていない。
とにかく仲間内での、ひとつの実験的な音出しにしたいと思っているからだ。

こんな音の世界もあるのか、と楽しめればいい。
今回、私自身は試聴CDはもっていかない。
当日参加された方が持参されたモノーラルCDをかける。

システムからすればジャズが中心になるであろう。
でもジャンルは問わない。
クラシックのモノーラルCDも、ロック・ポップスのモノーラルCDで、
私が勝手にマッスルオーディオと呼ぶシステムで聴いてみたいと思われたディスクを持ってきてほしい。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
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Date: 2月 13th, 2016
Cate: audio wednesday

第62回audio sharing例会のお知らせ(マッスルオーディオで聴くモノーラルCD)

3月のaudio sharing例会は、2日(水曜日)です。

1988年も終りに近いころだった。
JR荻窪駅で電車を待っていたら、ホームで携帯電話をかけている人を見かけた。
携帯電話といっても、当時のそれは肩からかけるモノで、バッテリーも大きく、
固定電話のような受話器がついているモノだった。

その少し後だったか「帰るコール」という言葉が一時期流行った。
私がみかけた人も、まさしく「帰るコール」をしていた。

携帯電話(というよりも持ち運び可能な電話)が出ていたことは知っていたけれど、
本体価格、通話料金ともに高く、使っている人はどのくらいいたのだろうか。

後にも先にも、私が見かけたのが、この人だけだった。

それから約20年。2007年にiPhoneが登場し、スマートフォンという言葉も流行っていく。
確かに、あの頃の携帯電話からの進歩は、スマートフォンといえるほどである。
小さく軽く、バッテリーも持つようになり、
ただ電話をかけるだけのモノから、さまざまな機能を盛り込んだモノになっている。

スマートという言葉を使いたくなるのもわかるし、
スマートという言葉にふさわしいモノでもある。

いま、あのころの、大きくて重くて単機能の携帯電話が使えたとして、誰が使いたいと思うだろうか。
けれど、オーディオはそこが違う。

オーディオの世界も、スマートオーディオといえるようなモノが出てきている。
スピーカーにしても、大きくて重い、そして高能率のモノよりも……、という傾向はある。

スピーカーユニットにしてもそうだ。
3月のaudio sharing例会で予定しているのは、
JBLの2441を二本、2397ホーンに取りつけて、モノーラルCDを聴く、というものだ。
2441には600Hz以上を受け持たせる。

これがコーン型ユニット、ドーム型ユニットであれば、
ユニットの重量はせいぜい数kgである。
軽く片手で持てる重さでしかない。

たとえばATCのスコーカーがある。
ATCのスコーカーは400Hzあたりから使えるし、能率はホーン型よりは低いものの、
最大出力音圧レベル、リニアリティに関しては、
スタジオモニターとして高い評価を得るだけの能力をもっている。

そういうユニットがずいぶん前から登場しているにも関わらず、
金属のかたまりのようなコンプレッションドライバーをひとつのホーンにダブルで取りつける。
ひどく時代に逆行しているようなことをやるわけだ。

それはお世辞にもスマートオーディオとは呼べない。
その対極にあるだけに、マッスルオーディオと、だから呼びたい。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
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Date: 2月 4th, 2016
Cate: audio wednesday

第62回audio sharing例会のお知らせ(マッスルオーディオで聴くモノーラルCD)

3月のaudio sharing例会は、2日(水曜日)です。

3月のaudio sharing例会は、以前書いたことをやる予定だ。

私のところにあるJBLの2インチスロートのコンプレッションドライバー2441を持っていく。
ホーンはJBL唯一の木製の2397、
スロートアダプターに2329を使い、
2397一本に二発の2441を取りつける。

2441は一本あたり11.3kg、これが二本で22.6kg。
2397が4.4kgで、これに2329(重量は発表されていないが2kg弱か)が加わるから、
トータル重量は28kgをこえる。
これが片チャンネルの中高域を受け持つ。

これだけのモノを中高域にもってくるとなると、
低音域はもちろんダブルウーファーが必然となる。

両チャンネルをこの規模で揃えるのはたいへんだけど、
モノーラル(片チャンネル)だけなら、器材は揃っている。

それでモノーラルCDに限定することで、
ダブルウーファー、ダブルコンプレッションドライバーの音を聴く会をやる。

アンプは喫茶茶会記常備のマッキントッシュのMA2275を使う。
片チャンネルを低域用に、もう片チャンネルを高域用に使うことで、
バイアンプ駆動が可能になる。

デヴァイディングネットワークは抵抗とコンデンサーだけの、
パッシヴ型の12dB/oct.のモノを作っていく。
クロスオーバー周波数は600Hzを予定している。

これをCDプレーヤーとMA2275の間に挿入すれば、バイアンプシステムが整う。
このシステムを、ダブルウーファー、ダブルコンプレッションドライバーのシステムと呼んでもいいが、
長いので、マッスルオーディオと呼びたい。

ウーファーはアルテックの416-8Cなので、
JBL・アルテックの混成部隊となる。

こまかなことを気にする人には向かない音が出てくると思う。
それにくり返すがモノーラルCDしかかけられない。

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Date: 2月 1st, 2016
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第61回audio sharing例会のお知らせ(聴感上のS/N比)

今月のaudio sharing例会は、3日(水曜日)です。

真空管には高信頼管というモノがある。
電圧増幅管としてポピュラーなモノには高信頼管はある。

通常管と高信頼管。
名前の印象だけで判断すれば、後者のほうが優秀な真空管のように思える。
オーディオマニアにとって、優秀とは音がいい、ということでもあるわけだが、
通常管と高信頼管、どちらが音がいいのかについては、人によって違ってくる。

高信頼管がいいという人もいれば、
高信頼管の音には音楽性がない、
通常管のほうが音楽性があるからいい、という人もいる。

もっともいまでは高信頼管とは名ばかりの真空管も出廻っているようだから、
そういういかがわしい高信頼管のことではない。

真空管全盛時代につくられた高信頼管であっても、
聴く人によって、通常管との音の違いは評価がわかれる。

私がどちらがいいと思っているのかは書かないが、
ノイズと音の関係性を考えれば、納得のいくことだ。

真空管の違いは直接的なS/N比にも関係してくるが、
聴感上のS/N比にも関係してくる。

どこまでいってもノイズを完全に排除することはできないだろう。
どこかでノイズとの折り合いをつけていくのがオーディオである。

場所もいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 1月 28th, 2016
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第61回audio sharing例会のお知らせ(聴感上のS/N比)

2月のaudio sharing例会は、3日(水曜日)です。

同じメーカーのスピーカーシステムで、開発年代が大きく離れているモノを比較試聴すると、
いろいろなところが変っていることがわかると同時に、
聴感上のS/Nvv比が向上していることは、明らかである。

少なくとも名のとおったスピーカーメーカーのフラッグシップモデル、
それに類するモデルでは、聴感上のS/N比はほぼ間違いなく向上しているといえる。

それでは旧いスピーカーシステムは聴感上のS/N比が低いとはいいきれない。
たとえばJBLのコンプレッションドライバーをみればすぐに理解できることだが、
どこを叩いても雑共振をするところがない。

すべてのメーカーのコンプレッションドライバーがそうだとはいえないけれど、
JBLの375(376)、2440(2441)の実物に触れたことのある人ならば、理解されるはずだ。

けれどコンプレッションドライバーは基本的にドライバー単体では使えない。
必ずなにがしかのホーンとの組合せが必要となり、
このホーンが、場合によっては聴感上のS/N比を劣化させている。

ホーンの形状、ホーンの材質、ホーンの取りつけ方などによって、
聴感上のS/N比は変ってくる。
同じドライバーでもホーンの形状によって出力音圧レベルもわずかながら変化する。

ドライバーに限らない。
高能率のドライバーに合せるために能率を高くすることを第一としたコーン型ウーファーに関しても、
潜在的な聴感上のS/N比の高さを認められるモノがある。

聴感上のS/N比をよくする、とよくいうし、いわれている。
けれど実際には聴感上のS/N比を劣化させている要因をひとつずつ(少しずつ)排除していった結果として、
本来の聴感上のS/N比が活きてくるわけだ。

場所もいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
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Date: 1月 10th, 2016
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第60回audio sharing例会(アンプを愉しむ、の様子)

1月6日のaudio sharing例会の様子を、
喫茶茶会記の店主、福地さんが感じたことを書いてくださった。

準備をしている私が写っている写真の公開されている。