第68回audio sharing例会のお知らせ(柔の追求・その4)
ハイルドライバーのオリジネーターといえるESSは、
1980年にフラッグシップモデルTransar Iを出した。
ステレオサウンド 57号の新製品紹介に登場している。
岡先生が記事を書かれている。
60号の特集にも登場している、この大型システムは3ウェイ+サブウーファーをとる。
サブウーファーは30cm口径のコーン型で、90Hz以下を受け持っている。
90Hz以上の帯域はすべてハイルドライバー(AMT)が受け持つ。
Transar I登場以前のESSのスピーカーシステムのクロスオーバー周波数は、
850Hzがもっとも低かった。
ハイルドライバーのサイズの小さなシステムでは、1.2kHz、1.5kHz、2.4kHzとなっている。
つまりTransar Iは、従来のハイルドライバーの受持帯域を3オクターヴ以上、低域側に拡大している。
1kHz以上、7kHz以上を受け持つハイルドライバーは従来の構造のままだが、
90Hzから1kHzを受け持つハイルドライバーの構造は、言葉だけでは説明しにくい。
57号の岡先生の記事によれば、中低域用ハイルドライバーの高さは実測で86cmとなっている。
かなり大型で、記事では5連ハイルドライバーとなっている。
詳細を知りたい方はステレオサウンド 57号か、インターネットで検索してほしい。
ハイルドライバーを使ったスピーカーシステムをあれこれ考えていた私は、
いったいどこまでハイルドライバー(AMT)に受け持たせられるのか、
インターネットで各社のAMTの資料をダウンロードしては特性を比較していた。
現在、大型のAMTを単売しているのは、ドイツのムンドルフである。
高さ12インチの製品までラインナップされている。
ここまで大きければ、かなり下までカバーしていると期待したものの、
実測データを見ると、がっかりしてしまう。
ESSのハイルドライバーがあのサイズで850Hzまで使えるのに……、と思ってしまうほどに、
ムンドルフのAMTはサイズの割には……、といいたくなる。