Author Archive

Date: 12月 19th, 2016
Cate: ワイドレンジ

ワイドレンジ考(ジャズにとって、クラシックにとって・その12)

前回(その11)を四年前。
書くのを忘れていたわけではないが、
書きたいことが他にも多々あって先延ばしにしていたら、いつのまにか四年が経っていた。

2016年はaudio sharing例会で、できるだけを音を鳴らすようにしてきた。
計九回、音を鳴らしてきた。

会場となる喫茶茶会記はジャズ喫茶である。
店主の福地さんは、熱心なジャズの聴き手である。

喫茶茶会記のスピーカーは、
以前渋谷にあったジャズ喫茶・音楽館で使われていたアルテックそのものである。

エンクロージュアはガタがきてしまい、2015年秋(11月ごろ)に別のエンクロージュアに替った。
つまり2016年は、新しくなった喫茶茶会記のスピーカーを鳴らすことでもあった。

ジャズ喫茶である喫茶茶会記で、
ジャズ喫茶・音楽館で長年鳴らされてきたスピーカーを鳴らすことは、
一年を通して、この項のテーマである、
ジャズにとってのワイドレンジ、クラシックにとってのワイドレンジについて考える場でもあった。

スピーカーの構成上、私が考えているワイドレンジ再生とは違うところがある。
いまはあれこれ試みている最中でもあり、8月にはJBLの2405を接いでもいる。
まだまだ十全なワイドレンジ再生が行えているわけではないが、
なんとなくつかめてきていることもある。

その1)で書いている、
「いろ(ジャズ)」のワイドレンジと、
「かたち(クラシック)」のワイドレンジとがつかめてきている感じがしている。

Date: 12月 19th, 2016
Cate: アナログディスク再生

自走式プレーヤーの領域(その4)

アナログプレーヤーはターンテーブルを持つ。
ターンテーブル(turntable)の名の通り、回転する、直径約30cmの円盤である。

円盤の材質は金属が多いが、最近では金属以外の材質も増えている。
重量も数十kgを超えるモノもあれば、軽量級のモノもある。
それぞれに能書きがある。

円盤といってもすべてがフラットな形状ではない。
ここにも各社さまざまな工夫がみてとれる。

ターンテーブルの駆動方式も、ダイレクトドライヴ、ベルトドライヴ、リムドライヴがあり、
それぞれに特徴がある。

アナログプレーヤーのターンテーブルに関することは、
あのサイズの円盤を回転させることによって生じているといえ、
それゆえの難しさと、からくりが成立している。
ここにアナログディスク再生のおもしろさがある。

とはいえ、この時代にもういちどアナログディスク再生を考えてみるときに、
ターンテーブルの存在に縛られすぎてはいないだろうか、というおもいがある。

ターンテーブルの存在について考えていくのもおもしろいし、
別項「ダイレクトドライヴへの疑問」で書いているわけだ。

だがそれとは別の視点でのアナログプレーヤーの発想も必要だと思う。
ソニーのCDP5000がディスクを移動させたのと同じようなことを、
アナログプレーヤーで考えると、それは自走式ということになる。

自走式であればターンテーブルはいらない。
回転しないターンテーブルだから、円盤状のテーブルである。

Date: 12月 19th, 2016
Cate: アナログディスク再生

自走式プレーヤーの領域(その3)

サウンドワゴン(レコードランナー)にしても、
類似のモデルにしても、そのままではオモチャに属する。

類似の方はブルートゥースで信号を送ることが可能で、
外部スピーカーを鳴らせるというものの、本格的なオーディオシステムを組むモノではない。

サウンドワゴンそのものをオーディオマニア的視点で捉えたいわけではなく、
自走式プレーヤーをオーディオマニアとして捉えてみたい。

アナログディスク関連の自走式といえば、レコードクリーナーもあった。
オーレックスのDC30(4,500円)、
Lo-DのAD093(4,500円)、AD095(8,900円)、
マクセルのAE320(4,500円)、AE341(5,600円)などが、1980年代前半にあった。

同じ自走式といっても、サウンドワゴンの自走と、
レコードクリーナーの自走とは違う。
リンクしているAE320の広告を見ればわかるように、
自走式レコードクリーナーはアナログプレーヤーを必要とする。

正確に言えばセンタースピンドルを必要とする。
サウンドワゴンも類似のモノも、センタースピンドルは必要としない。
だからサウンドワゴンはどんな場所でも、アナログディスクを再生できる。

私が考えているのはセンタースピンドルを必要とする自走式プレーヤーである。
つまり形状としては、サウンドワゴンではなく、AE320に近いモノとなる。
あくまでもアナログディスクを置く台(センタースピンドルも含んで)とのセットでの考えである。

Date: 12月 19th, 2016
Cate: アナログディスク再生

自走式プレーヤーの領域(その2)

プロ用機器としてのCDプレーヤーは、ソニーのCDP5000、デンオンのDN3000Fが早かった。
CD登場の翌年1983年のことだ。

どちらもモデルも一部改良され、CDP5000S、DN3000FCとなり、
コンシューマー用として発売になった。
価格はどちらも180万円だった。

CDP5000はメカニズムは、同じプロ用機器であるデンオンとも、
他のコンシューマー用機器とも違っていた。

ディスクが回転し、ピックアップが移動しながらトレースしていくのだが、
ソニーはディスクが回転しながら移動する方式を採っていた。

つまりピックアップは固定された位置から動かずに、
逆転の発想でディスクが移動することでトレースを可能にしている。

アナログプレーヤーのピックアップと違い、
CDプレーヤーのピックアップにはサーボ技術が不可欠である。
ピックアップ部には複数のサーボがかけられているため、その分配線の数も、
モーターへの配線よりも多い。

配線の数の多いピックアップを動かすよりも、
配線の数の少ないディスク(モーター)を動かした方が合理的という考えもできる。
ソニーはそれをやっている。

CDP5000の音は、きわめて安定感があった。
この安定感だけでも、このCDプレーヤーが欲しい、と一瞬でも思った。

ただ180万円という価格と、通常のCDプレーヤーとは大きく異る形態に、手は出せなかった。
それでも、いまも記憶に残る音を聴かせてくれた。

頭で考えればディスクを移動させることは、なんだか不安定な要素になりそうな気もするのだが、
実際の音は違っていた。

ということは自走式プレーヤーも、そうなのかもしれない。

Date: 12月 18th, 2016
Cate: アナログディスク再生

自走式プレーヤーの領域(その1)

いまから30数年前、
当時ステレオサウンドの弟分にあたる月刊誌サウンドボーイの表紙に、
レコード盤の上におかれたフォルクスワーゲンのTYPE 2というプラモデルが使われていた。

この表紙だけでは、どういうことなのかすぐにはわからなかったけれど、
この製品はサウンドワゴンといって、ボディ下部にカートリッジ、
内部にアンプとスピーカーを備えている、いわば自走式のアナログプレーヤーだった。

通常のアナログプレーヤー(当時はレコードプレーヤー)は、
レコードを回転させる。
サウンドワゴンは静止したレコード盤面を、再生しながら走っていく。
確かサウンドボーイの表紙のサウンドワゴンは、
表紙として見映えするように、他のプラモデルのパーツを流用していたはずだ。

面白いモノが出た、と誰もが思ったはずだ。
手に入れた人も少なくないだろう。
手に入れなくとも、記憶に残っている人は多いはずだ。

サウンドワゴン。
本格的なオーディオ機器というわけではないこともあって、
関心を持続していたわけではなかった。
それに製造中止になった、ということも聞いていた。

それから、どのくらい経っただろうか、サウンドワゴンが復活した、というニュースをどこかで見た。
でも、それほど熱心に読んだわけでもなく、また忘れてしまっていた。

そのサウンドワゴンのことを思い出しているのは、ある記事を読んだからだ。
逆(回)転の発想! レコードの上を回って再生するスピーカー」というタイトルがつけられていた。

この記事で使われている写真は、レコードの上に四角い箱が乗っている。
記事を読んでもらえばすぐにわかるが、サウンドワゴンと同じモノの紹介である。

この記事の執筆者がどの世代の人なのか知らないが、
少なくともサウンドワゴンを知らない世代なのは間違いないだろう。
それに、過去に同じような物がなかったかを調べもしない人なのだろう。
編集部も、そのへんのチェックをせずに、おまかせで記事を依頼しているのだろう。

こういうことを、DeNAのキュレーションサイトが問題になった直後にやってしまう。
また「インターネットはくずだね」と思っている人を喜ばせることになる。

上記記事で紹介されているモノは45回転にも対応できる、とある。
サウンドワゴンは33 1/3回転のみであるという違いはある。

サウンドワゴンは名前を、レコードランナーに変えて現行製品である。

なつかしいな、とまず思った。
それから考えたのは、自走式のアナログプレーヤーの可能性についてである。

Date: 12月 18th, 2016
Cate: 再生音

続・再生音とは……(その12に対して……)

三年半前に(その12)を書いた。
次のようなことを書いている。
     *
ロボット(robot)は、カレル・チャペックの戯曲「R.U.R.」において、
初めて提示され、このロボットの着想にはゴーレム伝説が影響していると、チャペックが述べている。

ゴーレムは泥人形であり、機械仕掛けのロボットではない。
その意味では、ゴーレムは、アトムやその他のロボットよりも、
イメージとしてはピノキオに近い、といえるだろう。

ピノキオは、意志をもって話をすることができる木をゼペットじいさんが人形に仕上げたものだ。
ピノキオにも、手足を動かしたりする機構は、ゴーレム同様ない。
意志をもった木であっても、ピノキオに人間の脳に相当するものがあるわけではない。
     *
ゴーレムとピノキオは近い存在といえると今も思っているが、
同時にゴーレムは、やはり現在のロボットを示唆していた、とも思うようになった。

実際のロボットを形作っている素材のほとんどは、土の中、土の下にあるものだ。
半導体の材料となるものがどこにあるのか。
配線の素材はどこに存在しているのか。
ロボットの動力の源となるのは何なのか、それはどうやってつくられるのか。
ロボットの動きをスムーズにするためのオイルにしても、そうだ。

こんなことを考えていくと、ほとんどすべてが土と関係してのモノであることに気づく。
その意味でゴーレムが泥人形(土)なのは先見性があった、というべきなのか。

土、鉱物、ロボットと考えていくと、
ジェームズ・ラブロックにより仮設が提唱されたガイア理論と結びついていく。

最先端のロボットは、つまりは土から生れる。
土とは地球と捉えれば、ガイアがGaiaなのは、単なる偶然なのだろうか、と思うのだ。

Gaiaの真ん中にはaiがいる。AIだ。
artificial intelligence(人工知能)のAIが、Gaiaの真ん中なのだ。

こじつけと思われようが、こう考えていくと、
やはりAIは現実となる日が来るのだろう。

Date: 12月 17th, 2016
Cate: オーディオ評論

ミソモクソモイッショにしたのは誰なのか、何なのか(その20)

わかっている──、
理解とはどういうことなのか。

2004年に公開された映画「イノセンス」に出てくるセリフが忘れられない。

「理解なんてものは概ね願望に基づくものだ」
映画序盤での荒巻大輔のセリフである。

このセリフを聞いて、何も感じない人は、考えようとしない人は、
つまりこのセリフがひっかかってこない人は、
わかっているつもりで留まっていると断言してもよい。

ここでの願望とは、誰の願望なのか。
私の願望に決っている。

私には私の願望があり、別の人には別の願望があり、
その願望に基づいての理解であることが、すべてとまではいわないまでも、
ほとんどといっていいのかもしれない。

Date: 12月 16th, 2016
Cate: 型番

国産アンプにおけるUの意味

デンオンのアナログプレーヤーと同じように、
型番にDPがつくのがダイヤトーンのアナログプレーヤーである。

このころのダイヤトーンの型番はスピーカーはDS、アンプはDAとついていた。
デンオンの場合とは違い、ダイヤトーンの型番のDはダイヤトーン(DIATONE)の頭文字である。

ダイヤトーンのアンプは、
コントロールアンプならばDA-P7、DA-P10、
パワーアンプならばDA-A7、DA-A10、
チューナーはDA-F200、DA-F450、
レシーバーはDA-R320、DA-R340というふうにつけられている。

ハイフンの後のアルファベットがコントロールアンプはプリアンプのP、
パワーアンプはアンプのA、チューナーはFMチューナーのF、レシーバーは頭文字Rである。

プリメインアンプは、というと、DA-U450、DA-U660というふうになっている。
プリメインアンプをUで示している。

サンスイのアンプもコントロールアンプはCA、パワーアンプはBAなのに対し、
プリメインアンプはAUで、ここもUがつく。

テクニクスの型番もUがつく。
パワーアンプはSEという型番から始まるが、
コントロールアンプとプリメインアンプは、どちらもSUからはじまる。

その後SUのあとにハイフンとアルファベットがつくようになり、
型番を見ただけでコントロールアンプなのかプリメインアンプなのかすぐに判別できるようになったが、
テクニクスの・ブランドの初期のころは、どちらもSUと数字による型番で、
型番を憶えていないければ、区別はつき難かった。

ダイヤトーン、サンスイ、テクニクスのプリメインアンプに共通するU。
何を示しているのか。
おそらくユニティ(unity)だと思っている。

Date: 12月 16th, 2016
Cate: レスポンス/パフォーマンス

一年に一度のスピーカーシステム(その8)

オーディオマニアなのだから、オーディオマニアとしての腕がある。
その腕試しをしたいと思ったときに、好適なスピーカーシステムがダイヤトーンのDS1000である。

程度のいいDS1000を手に入れることができたとしよう。
一年に一度(もしくは数回)、鳴らしてみたくなるのは、
オーディオの腕試しであり、競うためである。

何と、誰と競うのかといえば、去年までの私のオーディオの腕と、である。

ふだんは鳴らしていないスピーカーをひっぱり出してきて、
セッティングを含めて一からやっていくのは、ひとつの確認行為である。

これはオーディオマニアとしての楽しみ方である。
一年のあいだに、オーディオとの怠惰な接し方をしていたのであれば、
去年のDS1000の音は出せないはずだ。

ある期間以上鳴らしていないスピーカーは、それだけで経年変化を起す。
そういうスピーカーを鳴らして、昨年と同じ、さらにいい音で鳴らすことで、
何かを確認したいと思うのは、オーディオマニア以外の何者ではないからだ。

こうやって考えていくと、DS10000は、いわば教習車としての存在である。
車の運転を習う・おぼえるのに、
車好きの人が憧れる、いわゆるスーパーカーは使わない。

私は免許をもっていないから教習所にも通っていない。
実際に使われている教習車がどういう性格の車なのかはしらないから、想像だけで書いている。

はじめて車を運転する者にとって教えてはならないのは、
クセのはずだ。悪いクセを身につけてしまったら、安全な運転はおぼつかなくなる。
そのためにはクセのない(少ない)車が向いているはずだし、
さらには正しい運転技術を身につけることのできる車が望ましいはずだ。

そういう意味で、DS1000を教習車としての存在というのである。

Date: 12月 16th, 2016
Cate: audio wednesday

第72回audio wednesdayのお知らせ(セッティングとチューニングの境界)

2017年1月のaudio wednesdayで鳴らすCDは、一枚である。
セッティング、チューニングというのだから、
何枚ものディスクをかけることを想像されるかもしれないが、
セッティングを詰めていくには、変動要素をできるだけ少なくしたい。

そのためにディスクのかけかえにともなう変動要素をひとつ減らすために、
ディスクは一枚に限定して行う。

一枚のディスクの同じ曲を、それこそ何回も何回も聴いていく。
人によっては苦行のように感じられるかもしれないが、
ディスクを途中で他のディスクに交換することはないと思ってほしい。

もちろん最後になれば数枚の別のディスクをかける。
でもそれまでは一枚のディスクをしつこく鳴らしていくだけである。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 12月 16th, 2016
Cate: 型番

デンオンの型番(その2)

型番について書くと、数人の方からコメント、メッセージをいただく。
デンオンの型番についても、あった。

まずDPという型番だが、Disc Playerではなく、
Direct Drive Playerの略のようにも思える、とあった。
以前のデンオンにRPがつくモデルがあり、
それはリムドライヴなので、Rim Drive Playerと考えるとしっくりくる、ということだった。

確かにそれも一理あるかな、と思い、
デンオンにベルトドライヴのモデルがあって、それがBP(Belt Drive Player)であれば、
DPはDirect Drive Playerということになる。

デンオンにベルトドライヴのモデルはあった。
DPという型番である。

となると以前のRPはおそらくRecord Playerの略とも考えられるし、
DPはやはりDisc Playerであろう。

型番の意味についてひとりで考えていると、どうも狭く考えがちになる。
そういうところにコメント、メッセージがあると、気づかされる。
そういう考えもあるな、と。

誰の推論が正解なのか、はっきりとはわからないところがある。
こうやって考えていくのが、楽しいのだから。

ではDL103のLは何なのか。
Dがディスクだとすれば、ロード(load)ではないだろうか。

Date: 12月 15th, 2016
Cate: レスポンス/パフォーマンス

一年に一度のスピーカーシステム(その7)

すぐれた人で、即席やお座なりには何もできない人がある。そういう人は性質として、その時々の事柄に静かに深く没頭することを必要とする。そういう才能の人からは、目前必要なものが滅多に得られないので、われわれはじれったくなる。しかし、最も高いものはこうした方法でのみ作られるのである。
(ゲーテ格言集より)
     *
人もスピーカーシステムも同じだと思ってしまった。
そしてゲーテの時代(約200年前)からそうなのだ、と。

その6)を書いてから二年半。
そのあいだに「ゲーテ格言集」(新潮文庫)を買って、気が向いたところを開いては読んできた。

間違っていなかった。

Date: 12月 15th, 2016
Cate:

いい音、よい音(その2)

その1)で書いたことは、
自分にとっての「いい音、よい音」である。

「いい音で聴きたい」という気持をオーディオマニアならばみな持っている。
けれど「人よりいい音で聴きたい」という気持もないとはいえない。

この「人よりもいい音」の「いい」には、
どの漢字があてはまるのだろうか。

Date: 12月 15th, 2016
Cate: 1年の終りに……

2016年をふりかえって(その4)

JBLの70周年記念モデルが、4312SEであったから、
今年一年をふりかえって気になるスピーカーとはいえない。

今年の新製品で気になったスピーカーは、ひとつある。
ヤマハのNS5000がああいう結果になってしまったから、NS5000ではなく、
ソナス・ファベールのCHAMELEON Bという小型スピーカーである。

サイドパネルを交換できることが特徴なだけに、あなどっていた。
インターナショナルオーディオショウでのノアのブース。
入った時に、ちょうどCHAMELEON Bに切り換えられているところだった。
ワディアのシステムで鳴らされていた。

ソナス・ファベールは、フランコ・セルブリンによって設立されたスピーカーメーカーである。
セルブリンを、スピーカーづくりの達人もしくはそれ以上の存在と評価している人もいる。

セルブリンのつくったスピーカーはすべて素晴らしい、という人もいる。
私はそこまでは思っていないけれど、セルブリンが離れてしまったソナス・ファベールには、
正直興味がなくなっていた。

にも関わらずCHAMELEON Bから鳴ってきた音は、もう少し聴いていたいと思わせた。
まったく期待していなかったスピーカーだけに驚きが先に立ったが、
聴いていくうちに、好ましいスピーカーだと実感できた。

ワディアのシステムも大袈裟ではない。
CHAMELEON Bも同じだ。

他のアンプでも聴いてみたいと思っていたけれど、
ワディアのシステムとの相性も良いように感じた。

Date: 12月 15th, 2016
Cate: 型番

デンオンの型番(その1)

DENON。
いまではデノンとカタカナ表記すべきなのだが、
いまの20代くらいならばデノンに対して抵抗感もないだろうし、
デンオンというカタカナ表記に違和感をおぼえるのかもしれないが、
それ以上の世代になるとデンオンの方が親しんでいる。

デノンになってからのモデルに関しては、素直にデノンの○○と書くけれど、
デンオン時代から続いているロングセラーのモデル、
つまりカートリッジのDL103に関しては、デノンのDL103とは書きたくない。

やはりデンオンのDL103なのである。
このDL103の型番のアルファベットは何を意味しているのだろうか。

デンオンのプリメインアンプはPMAで始まる。
Pre Main AmplifierだからPMAである。

コントロールアンプのPRA、Pre Amplifierだからであり、
パワーアンプのPOAはPower Amplifierだからである。
わかりやすい。

アナログプレーヤーはDPから始まる。
最初はDENON Playerで、DPなのかと思ったが、
アンプにはデンオンのDがつかないのだから、
おそらくDはディスク(disc)なのだろう。

ディスクプレーヤーで、DP。
だとするとカートリッジはDLのDはディスクとなる。
Lは何を意味するのか。

デンオンの型番でもうひとつ意味がはっきりとしないのが、スピーカーのSCである。
Sはおそらくスピーカー(speaker)のはず。
ならばCは?

ヤマハの型番と同じように、ここでもCの意味するところがわからない。