Date: 12月 16th, 2016
Cate: レスポンス/パフォーマンス
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一年に一度のスピーカーシステム(その8)

オーディオマニアなのだから、オーディオマニアとしての腕がある。
その腕試しをしたいと思ったときに、好適なスピーカーシステムがダイヤトーンのDS1000である。

程度のいいDS1000を手に入れることができたとしよう。
一年に一度(もしくは数回)、鳴らしてみたくなるのは、
オーディオの腕試しであり、競うためである。

何と、誰と競うのかといえば、去年までの私のオーディオの腕と、である。

ふだんは鳴らしていないスピーカーをひっぱり出してきて、
セッティングを含めて一からやっていくのは、ひとつの確認行為である。

これはオーディオマニアとしての楽しみ方である。
一年のあいだに、オーディオとの怠惰な接し方をしていたのであれば、
去年のDS1000の音は出せないはずだ。

ある期間以上鳴らしていないスピーカーは、それだけで経年変化を起す。
そういうスピーカーを鳴らして、昨年と同じ、さらにいい音で鳴らすことで、
何かを確認したいと思うのは、オーディオマニア以外の何者ではないからだ。

こうやって考えていくと、DS10000は、いわば教習車としての存在である。
車の運転を習う・おぼえるのに、
車好きの人が憧れる、いわゆるスーパーカーは使わない。

私は免許をもっていないから教習所にも通っていない。
実際に使われている教習車がどういう性格の車なのかはしらないから、想像だけで書いている。

はじめて車を運転する者にとって教えてはならないのは、
クセのはずだ。悪いクセを身につけてしまったら、安全な運転はおぼつかなくなる。
そのためにはクセのない(少ない)車が向いているはずだし、
さらには正しい運転技術を身につけることのできる車が望ましいはずだ。

そういう意味で、DS1000を教習車としての存在というのである。

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