アナログプレーヤーのデザインについて書いている。
Air Force Oneのデザインがよくないことを書いている。
これを読まれる方の中には、音がいいのだから、
しかもこれだけのアナログプレーヤーの開発は今後望めないともいえる状況で、
Air Force Oneは登場してきたのだから、音に関係のないデザインのことなど、
どうでもいい、些細なことではないか。
欲しいのは音のいいプレーヤーであり、デザインのいいプレーヤーではない、
と思っている人もいても不思議ではない。
でもそうだろうか、ほんとうにプレーヤーのデザインは音に関係ないのか。
そうでないことは、オーディオ機器のサイズが音に与える影響のことを書いている。
スピーカーからの音が金属のかたまりであるAir Force Oneにあたる。
音の波紋のひろがっていくのを、Air Force Oneの大きなサイズが少なからず乱す。
それだけでなく金属のかたまりだから、Air Force Oneにあたった音は、
ほとんど吸音されることなく反射して、
その反射音を含めて聴き手は聴くことになる。
聴感上のS/N比の劣化が起ってしまう。
つまりこれはAir Force Oneの開発の主眼にある「限りない静粛性を求めること」を阻害している。
ただAir Force Oneの、この部分に関しては、
「無限大に近い回転精度と限りない静粛性を求めること」とあるから、
ターンテーブルのプラッターの回転精度と静粛性のことであり、
Air Force Oneの聴感上のS/N比の追求のことではないとも読める。
そうであっても、回転の静粛性は聴感上のS/N比に直接関係していることであり、
Air Force Oneは聴感上のS/N比の高さをも求めているはず。
Air Force Oneの聴感上のS/N比は、おそらく高い、と思われる。
それで充分じゃないか、と思われる人もいるだろうが、
私はAir Force Oneが、本当の意味でのデザインを追求していたら、
さらに聴感上のS/N比を増すことになっていたと考える。
Air Force Oneはこれから先10年、20年と使っていけるプレーヤーであるだろうし、
音に関しては色褪せないことだと思う。
そういうプレーヤーだけに、デザインはより大切なことなのだ。
10年後、20年後、Air Force Oneのデザインはどう思われているか、どう受けとめられているか、
それをAir Force Oneの開発スタッフは一度でも想像したのだろうか。
Air Force Oneが美しいプレーヤーシステムに変貌を遂げたとき、
Air Force Oneは完成する、と思う。