Date: 12月 11th, 2012
Cate: アナログディスク再生
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私にとってアナログディスク再生とは(デザインのこと・その27)

1979年のマイクロのRX5000 + RY5500から始まった、
重量級のターンテーブルプラッターを糸ドライヴで回転させる、という、
もっともプリミティヴな方式は、1981年にエアーベアリング方式を採用したSX8000の登場で、
重量級のターンテーブルプラッターで避け難い欠点で軸受けから発生する機械的ノイズを抑え、
1984年にSX8000IIになり、プレーヤーとしてのまとまりを身につけ、
2012年、この方式としては考えられる最高の性能をAir Force Oneは実現している。
そういえると思う。

この点ではAir Force Oneを高く評価したい。
だから「いまどき、よくぞこういうモノをつくった!」と思ったのだ。

それでもAir Force Oneはマイクロ時代のSX8000IIを凌駕しているといえるだろうか。
Air Force Oneの音は聴いていない。
この時代に、こういう性格の製品だから、じっくり聴く機会はほとんどないかもしれない。
SX8000IIと直接比較試聴できる機会は、さらにないだろう。

それでもAir Force Oneは、すべての点でSX8000IIを凌駕しているとは思えないのだ。

SX8000IIも物量を投入した金属のかたまり的なプレーヤーではあるが、
トーレンスのリファレンスやゴールドムンドのリファレンス、それにAir Force Oneと比較すると、
コンパクトに仕上げられている。

このことが音に与える影響について、Air Force Oneは充分な配慮が為されているとは思えないからだ。
トーレンスのリファレンスが同一空間に、
聴いている時に視覚内にあるだけで音に大きな影響を与えることは、すでに書いているとおりである。
金属のかたまり、それもある程度以上の大きさをもつ機器が、
スピーカーと聴き手の間に存在していれば、音への影響は無視できなくなる。

記憶のなかでの比較になってしまうが、
Air Force OneはSX8000IIよりも大きい。かなり大きく感じる。
このAir Force Oneを部屋のどこに設置するのか、
部屋が狭くなるほどに、この問題は反比例に大きくなっていく。

この点への配慮は、Air Force Oneにはほとんどない、といえる。

オーディオ機器のサイズは、絶対的でもあり相対的でもある。
部屋が充分な広さがあれば、
ただしAir Force Oneクラスの大きさにとって充分な広さは相当なものであるけれど、
それだけのスペースが確保できる層の人たちに対してだけのアナログプレーヤーなのかもしれない。

オーディオ機器のサイズは、デザインの領域である。

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