第9回公開対談のお知らせ(「オーディオのデザイン論」を語るために)
ステレオサウンドをどう受けとめているかは人それぞれで、
オーディオのお買い物ガイドとして読んでいる人もいれば、
私は、オーディオの本、というよりも、オーディオ評論の本として認識している。
現在の編集部が、ステレオサウンドという本を、
お買い物ガイドブックとして編集しているのか、
オーディオの本として編集しているのか、
それとも私と同じように、オーディオ評論の本として認識して編集しているのか、
それは正直、はっきりしない、と私は思ってしまう。
そのステレオサウンドは、約1ヵ月前に出た号で創刊45年を迎え、
これまでに180冊のステレオサウンドが出ている。
別冊・増刊を含めると、ゆうに200冊をこえている。
そのなかで、「オーディオのデザイン論」が語られたことは、ほとんどなかった。
期待していた川崎先生の連載は、わずか5回で終ってしまった……(このことが象徴している、といえるだろう)。
2008年春の166号の特集は「オーディオコンポーネントの美」だった。
ここにも「オーディオのデザイン論」はなかった。
あったのは、デザイン観・デザイン感だった。
「オーディオのデザイン論」を語る文章があれば、
それにつづくデザイン観・デザイン感の文章が息づいてきたはずなのに……、と読んでいて思っていた。
残念といえば、2006年秋に出た「JBL 60th Anniversary」がある。
ステレオサウンドのウェブサイトで、この別冊の予告ページをみて、実は期待していた記事があった。
アーノルド・ウォルフのインタビュー記事だ。
これだけが読みたくて、「JBL 60th Anniversary」を買ったようなものだ。
こちらが勝手に期待していたのが悪いといえば悪いということになるのかもしれないが、
これはインタビュー記事なのか、とがっくりしてしまった。
アーノルド・ウォルフとインタビュアーとの対談のような記事が読みたかったわけではない。
ここにもやはり「オーディオのデザイン論」は不在だった。
10月5日(水曜日)の公開対談は、
「オーディオのデザイン論」を語るために
をテーマにして、工業デザイナーの坂野博行さんと行います。
「オーディオのデザイン論」を語る、ではなく、
「オーディオのデザイン論」を語るために、としたのは、
私が私が読みたい「オーディオのデザイン論」の記事をつくるために、ということもある。
公開対談は、これまでと同じ夜7時からです。
場所もいつものとおり四谷三丁目の喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。