Date: 10月 3rd, 2011
Cate: 純度
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オーディオマニアとしての「純度」(その9)

1982年夏に、「Why? JBL」という本が出た。
オーディオとはまったく関係のない出版社(実業之日本社)から、
しかも女性(佐京純子氏)によるJBLについて書かれた本だった。

この「Why? JBL」はステレオサウンド編集部内でも話題になった。
編集部でも購入していたし、編集部員も個人で数人購入していた。私も購入した。

11章から、この本は成り立っている。
 一章  ダウンタウンから約一時間ロスへの郊外へと走る
 二章  ランシングは最も古いアマチュア無線マニアの一人だった
 三章  シャラーホーン・システムが映画芸術科学アカデミー賞を受賞
 四章  アルテック・ランシング・コーポレーションの始まり
 五章  ジェイムズ・B・ランシング社設立
 六章  ジェイムズ・バロー・ランシングの死
 七章  一九五〇年代、商標『JBL』の誕生
 八章  一九六〇年代、JBLスタジオ・モニターシリーズに進出
 九章  JBL日本上陸
 十章  サウンドとヒューマンライフ
 十一章 そして現在のJBL

オーディオマニア的にはもの足りないと感じるところもあるものの、
それでもこの「Why? JBL」で知ることのできた情報は多かったし、
それまではっきりとしなかった事柄のいくつかが、この本によって明らかになったこともある。

「Why? JBL」は永らく絶版だったため、
一時期、ヤフー・オークションでけっこうな値がつくこともあったようだが、
改訂版といえる「ジェイムズ・B・ランシング物語」が、
「Why? JBL」と同じ実業之日本社から2008年に出ていて、いまも入手可能である。

「Why? JBL」の64ページには、こう書いてある。
     *
ランシングについて、そのすべてを研究している現在のJBL社の副社長の一人であるジョン・アーグルは、
彼についてこう述べている。
「ランシングは機敏なビジネスマンではなく、彼のもとでは会社は繁栄しなかった」と。

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