マランツ Model 7はオープンソースなのか(その5)
マランツのModel 7についてオーディオマニアが語るとき、
ほぼ必ずといっていいほど、そのデザインのことが話題になる。
基本シンメトリーなのだが、左右のバランスをほんのちょっとだけくずしてある。
それがまた絶妙──、
そんなことが語られる。
瀬川先生がずっと以前に書かれていたことで、
おそらく岩崎先生は瀬川先生よりも前に、同じことを指摘されている。
Model 7は、いいデザインと思うけれど、
Model 7がオープンソースなのか、ということについて考えるようになったきっかけも、
Model 7のフロントパネルの写真を眺めていたときに気づいたわけだから、
そのデザインといえる。
Model 7のデザインの見事さは、特註パーツを使用していないことにもある。
もちろんフロントパネルの仕上げは、昔の職人でなければできないレベルであるのは知っている。
いまでは、同じヘアラインは出来ない、とすでに30年くらい前に聞いている。
フロントパネル以外、スイッチ、ツマミはすべて市販品のはずだ。
Model 7の特徴的といえる中央の四つのレバースイッチとツマミ。
スイッチは市販品だし、ツマミのそのはずだ。
私以外にも気づいている人はいるはずだが、
マッキントッシュのパワーアンプMC240、MC275の入力切替えのスイッチ。
これはModel 7とスイッチもツマミと同じのはず。
両者を並べて比較したことはないので断言はできないけれど、
それぞれは何度も実機を見ているし、写真で見ても同じ、といえる。
デザインにこんなにこだわっています──、
そんなことをアピールするオーディオ機器がある。
その対極にModel 7があるからこそ、オープンソースなのか、と考える。