メリディアン ULTRA DACを聴いた(その1)
昨夜(9月5日)のaudio wednesdayは、
メリディアンのULTRA DACを聴くことがテーマだった。
メリディアンのULTRA DACを聴いていて感じたこと、
聴き終って思ったこと、考えたことがある。
ハイレゾという言葉が嫌いなのだが、
それでもハイレゾとハイスペックは違う、ということ。
ハイスペック音源をハイレゾ音源とは、いいたくない、ということ。
それから瀬川先生が書かれていたこと。
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しかし一方、私のように、どこか一歩踏み外しかけた微妙なバランスポイントに魅力を感じとるタイプの人間にとってみれば、全き完成に近づくことは、聴き手として安心できる反面、ゾクゾク、ワクワクするような魅力の薄れることが、何となくものたりない。いや、ゾクゾク、ワクワクは、録音の側の、ひいては音楽の演奏の側の問題で、それを、可及的に忠実に録音・再生できさえすれば、ワクワクは蘇る筈だ──という理屈はたしかにある。そうである筈だ、と自分に言い聞かせてみてもなお、しかし私はアンプに限らず、オーディオ機器の鳴らす音のどこか一ヵ所に、その製品でなくては聴けない魅力ないしは昂奮を、感じとりたいのだ。
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これは、ステレオサウンド別冊「81世界の最新セパレートアンプ総テスト」の巻頭、
「いま、いい音のアンプがほしい」で書かれたもの。
アンプについて書かれているわけだが、
同じことはD/Aコンバーターについてもいえる、であろうこと。
ふり返ってみれば、私はアナログプレーヤーもCDプレーヤーも、
ヨーロッパ製を選んできたこと。
これらのことを思ったり、考えたりしているところだし、
これから書いていくけれど、
メリディアンのULTRA DACは、素晴らしい音だった。
いい音だった、といいたくなる製品は、ある。
けれど、素晴らしい音だった、となると、ほんとうに少なくなる。
私だけではなかったはずだ。
来ていた人(数人なのが残念だった)は、みな聴き入っていたのだから。