音の悪食(その3)
二ヵ月ぶりの音出しは、昨年末にも一度あった。
2017年11月のaudio wednesdayは、音出しができず、飲み会になった。
12月は、だから二ヵ月ぶりの音出しだった。
このときも感じたのは、二ヵ月という期間は、はっきりとブランクということだった。
今回もそうだった。
それに加えて今回は、スピーカーの状態があまりいいとはいえなかった。
喫茶茶会記では、通常はキャスター付きの台車の上に置かれている。
音出しのスペースは、オーディオのためだけにあるのではなく、
演劇や、その他のライヴにも使われるスペースであるため、
スピーカーは邪魔モノとしてあつかわれることもある。
比較的きちんと元に近い状態に戻されているときもあれば、
ひどいなぁ……、と思う戻し方も場合も、意外とある。
原状復帰とは言い難く、そういうときはゼロからのセッティングというよりも、
マイナスからのセッティングに感じてしまう。
今回もそうだった。
ホーンは斜めを向いていたし、
全体的な雰囲気もひどく扱われたんだろうなぁ、と感じていた。
これは愚痴ではなく、むしろ、そういう状況であればこそ、
得られるものが、私にはあるわけだ。
それでも、やはり時間は必要となってくる。
二ヵ月のブランクと、ひどい原状復帰が重なってのスタートゆえに、
いつもよりも、その時間はより必要となってくる。
こういうことは、個人のシステムではまずないことだ。
多目的に使われているスペースでの音出しだからこそ、
毎月一回経験できることであって、面倒だなと思うことはあるにはあるが、
腕は磨かれていく。