人工知能が聴く音とは……(その5)
長島先生は「ステレオへの分離」と書かれている。
モノーラル録音されたものをステレオにするということは、
分離でいいのだろうか、と考える。
長島先生が書かれているやり方では、
調査に音楽学者、歴史学者、が各社、エンジニア、レコーディング・ディレクター、
その他大勢の有能な人びとがあたることになる。
そうとうな時間と手間が必要となる調査である。
「2016年オーディオの旅」では、
述べ数百人の人たちが二年間かけて、
フルトヴェングラーのベートーヴェンの五番の修復が行われた、とある。
そのくらいかかるものかもしれないし、もっと人も少なく、時間も短くなるかもしれないし、
その逆だって考えられる。
まだ誰もやっていないのだから、なんともいえない。
ただそう簡単にはいかないことだけは、確かだろう。
だから思う。
人工知能が行ったら……、と。
画像処理技術の進歩を見ていると、
音を音として扱うよりも、画像として扱ったらいいのでは……、
まったくの素人は思うことがある。
コンピューター(人工知能)にとっては、
元が音であろうと画像であろうと、デジタル信号であることは同じである。
ならば人工知能の深層学習、独自学習によって、
モノーラルの音源をステレオへと分離するのではなく、
モノーラル音源を元に、新たにステレオ音源を創成することができるのではないのか。