Archive for category 真空管アンプ

Date: 10月 4th, 2022
Cate: 真空管アンプ

五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか(50CA10単段アンプ・その14)

50CA10の単段シングルアンプを自作するにあたって、
小さなところではあるが、無視というか、妥協したくないのがソケットである。

50CA10はコンパクトロン管で、12ピンである。
いまでも12ピンのソケットは新品で入手できるけれど、
積極的に使いたいと思わせないモノばかり。

個人的に真空管のソケットは、
マイカ・フェルド・フェノリックで作られているのがいい。

真空管のソケットの色を気にするなんて、といわれそうだが、
黒とか白とかのソケットだと、それがメーカー製のアンプならば、
それほど気にならなくても、自分で作るとなると違ってくる。

ソケットをどうするか。
そんなことをなんとなく思っていたら、ヤフオク!で、
12ピンのソケットが出品されていた。

アメリカ製である。
しかもおもっていたよりも安価で出品されていて、
誰も入札していなくて、即決価格が設定されていたから、すぐさま落札。

今日、そのソケットが届いていた。
ゆっくりではあるが、確実に進んでいる。

Date: 9月 19th, 2022
Cate: 真空管アンプ

五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか(50CA10単段アンプ・その11へ、さらに補足)

武末数馬氏のECC81、上杉先生のECC82、
どちらも八本のプッシュプルのパワーアンプに以前から関心を持ちながらも、
今回50CA10の単段シングルアンプを優先して作るのには、
手元に来たある人の50CA10のシングルアンプという、いわば素材となるアンプがあるからだ。

それでもECC81、ECC82の八本パラレル・プッシュプルアンプを作ろうと思えば、
ある程度の部品は揃っている。

なのに単段シングルアンプにこだわるのは、
信号経路をかなり短くできるということが、もう一つの理由といえなくもない。

真空管のパワーアンプで信号経路を極力短くすることに、どれだけの意味があろうか。
出力トランスの巻線の長さを考えれば、
入力から出力トランスの一次側巻線までの信号経路を短くしても、
割合で考えればあまり意味のある、効果のあることではないのではないか。

そうは思いながらも、単段シングルアンプならば入力端子から出力トランスまでの信号経路は、
わずかばかりで仕上げることはできるわけでは、
例えばシェルリード線を交換した時の音の違いの大きさを思い浮べたりもする。

カートリッジ内の巻線、トーンアーム内の配線、トーンアームからアンプまでのケーブル、
これらトータルの長さからすればシェルリード線の割合はわずかだ。
なのにシェルリード線を交換すると、少なからぬ音の違いが生じる。

だからいまでもシェルリード線は各社から発売されている。
この経験があるからこそ、その先に長いもの(出力トランス)が存在していても、
そこまでの配線をできるかぎり短くすることが、決して無意味とは思えないし、
シェルリード線のように、割合からするとかなりの音の違いになってあらわれるかもしれない。

ECC81、ECC82八本パラレルのアンプも単段構成にすることはできる。
それでも信号経路は、どうしても長くなってしまう。

長くなってしまうことよりも、短い信号経路は長い信号経路が混在することになる。

Date: 9月 13th, 2022
Cate: 真空管アンプ

五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか(50CA10単段アンプ・その11の補足)

その11)でも、別項でも、
武末数馬氏のECC81の八本並列接続のプッシュプルアンプについて触れている。

武末数馬氏が、このアンプをラジオ技術に発表されたのは1981年ごろである。
こういう構成のアンプは、武末数馬氏が最初だと思っていた。
わりと最近までそう思っていたが、
先日、上杉先生の「管球式ステレオアンプ製作80選」の目次を、
インターネットで眺めていたら、
そこに12AU7の八本並列のパワーアンプの記事があるのに気づいた。

「管球式ステレオアンプ製作80選」は古い本で、いま復刻版が入手できる。
手元にないので、12AU7のパワーアンプの記事がいつ発表されたのかははっきりとしないが、
武末数馬氏のアンプよりもずっと前のはずだ。

12AU7はECC82。
武末数馬氏はECC81。

上杉先生のアンプは、初段で位相反転しているようだ。
武末数馬氏のアンプは入力トランスで対応している。

そういう違いはあるが、八本並列というところは同じである。
ECC81、ECC82八本並列プッシュプルアンプも面白いと感じているが、
それ以上に、オーディオの歴史をふり返えると、もっともっと面白いことに気づく。

そんなこと、いまのオーディオ(技術)には、ほとんど関係ない──、
そんなふうに切り捨てることは誰にでもできようが、果たしてそうだろうか。

Date: 9月 9th, 2022
Cate: 真空管アンプ

五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか(50CA10単段アンプ・その13)

50CA10のヒーターは、50V、0.175Aという規格だから、
オームの法則で抵抗値は285.7Ω程度である。

この値はヒーターが十分に熱くなってのことだ。
冷めた状態では、テスターで測かると、約40Ωである。

つまり50CA10を二本直列にすると、40Ω+40Ωで約80Ωしかない。
ここに100Vの交流電圧がかかるわけだから、最大で100V/80Ωで、
約1.25Aの電流が流れることになる。

1.25Aは0.175Aの七倍ほどである。
ヒーターの温度の上昇に伴い抵抗値も増えていくので、
十分に熱くなれば、0.175Aに落ち着くわけだが、それまでの時間、
短い時間であっても、50CA10のヒーターには規格値よりもかなり大きな電流が流れる。

白熱電球のフィラメントが切れるのは、スイッチを入れた時である。
このことは真空管のヒーターと同じである。
冷めた状態ではフィラメントの抵抗値が低いから、過大な電流が流れるからだ。

50CA10がいまでも新品が安価に入手できるのであれば、そういう使い方でもいい。
けれど、何度も書いているように50CA10は、そうではなくなっている。

なので私は50CA10と直列に285Ω程度の抵抗を入れる。
こうすれば、50CA10のヒーター温度が低い状態でも、
285Ω+40Ωで、約325Ωになるから、電源を入れた直後でも、100V/325Ωで、約0.3A。

50CA10直列接続よりもかなり低い値に抑えられる。
これだけでも、50CA10の寿命をのばせるはずである。

こういう場合、セメント抵抗を使う人が割と多い。
セメント抵抗の音の悪さは、けっこうなものである。

いや、セメント抵抗も使い方次第、という人もいるようだが、
私はたとえヒーター回路であっても使いたくない。

Date: 9月 5th, 2022
Cate: 真空管アンプ

五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか(50CA10単段アンプ・その12)

50CA10のヒーターは、50V、0.175Aとなっている。
これは50CA10を二本直列にすることで、AC100Vに直接接続できる。

電源トランスから出力管用のヒーター巻線を省ける。
そういうメリットがある。

50CA10の単段シングルアンプでは、50CA10を左右チャンネルで二本使うわけだから、
その二本を直列にすればいいわけだが、
ではどちらを上にするのか、という問題が生じる。

50CA10のプッシュプルアンプならば、四本になり、
二本、二本の直列接続は、左チャンネルの二本、右チャンネルの二本とわけることで、
左右チャンネルを同条件にできる。

それでもプッシュプルの上の球を、ヒーターの配線ではやはり上にするか、
それとも意図的に下にもってくるのか──、
まだ試していないが、それによる音の違いはあるはずだ。

それがシングルアンプとなると、片方の50CA10を上にするということは、
どちらかのチャンネルの50CA10を上にするわけで、
どちらを上にするか(下にするか)は、左右チャンネルの音に影響をもたらす。

50CA10のシングルアンプで、ヒーター配線をどう処理するか。
私は抵抗を介しての接続を考えている。

こうすることで、ヒーターの寿命も多少はのびるはずだからだ。

Date: 8月 31st, 2022
Cate: 真空管アンプ

五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか(50CA10単段アンプ・その11)

真空管アンプの自作に強い関心をもつようになったのは、
無線と実験に載っていた伊藤先生のEdの固定バイアスのプッシュプルアンプである。

このアンプは、
ラジオ技術、初歩のラジオ、無線と実験などに掲載されていた真空管アンプとは、
とにかく佇まいがまるで違っていた。

伊藤先生以外の真空管アンプの記事は、
真空管、真空管アンプの勉強のために読んでいた、ともいえるが、
伊藤先生の記事だけは違って、これをそのまま作りたい、と初めて思ったほどだった。

つまり武末数馬氏の記事も、私にとっては、勉強のための記事であった。
武末アンプを作りたい、と思ったことはない。

その8)の最後に書いた、
武末数馬氏のアンプに憧れたことは一度もなかった──、
とはこういう意味を含めてである。

それでも武末数馬氏の記事は割と熱心に読んでいた。
ECC81のパワーアンプは、いまでも追試してみたいと思っている。

ECC81を複数本並列接続しての出力5W+5Wのパワーアンプは、
どんな音がするのか、なかなか想像がつかない面もある。

こういっていいのなら、私は武末数馬氏のアンプの音には関心がなかった。
勉強にはなる記事とは思っていたけれど、
だからといって、そのアンプが私の求める音、満足する音を聴かせてくれるようには、
なんとなくではあったけれど感じられなかった。

別に武末数馬氏のアンプだけではない、
ほとんどの自作アンプの記事が、私にはそうだった。

それでもここで武末数馬氏の名をあげているのは、
勉強になったからである。

Date: 8月 30th, 2022
Cate: 真空管アンプ

五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか(50CA10単段アンプ・その10)

50XA10の単段シングルアンプをつくるにあたって、
こういう音を目指す、というようなことは何ひとつない。

ただただ単純に、50CA10の単段シングルアンプを作る材料が、
主にトランス類が揃っているということ、
それに50CA10の音を、自分の手で確認しておきたい──、
そのくらいの動機である。

真空管も最初から50CA10だし、
トランス類もすべて決っている。

私が選択するのは抵抗とコンデンサーぐらいであるが、
それだって、単段シングルアンプだけに使用する部品数は極端に少ない。

あれこれいじって音作りをしようという目的には、あまりそぐわない。
だからといって、とりあえず音が出ればいいや、という気持で取り組むわけではない。

作る以上は、自分で使う気になるモノでなければならない。
音が求めるクォリティに達していなければ、すべて無駄とはいわないものの、
六十を目前の男が作る意味はない。

十代のオーディオに興味を持ったばかり、
真空管アンプの音に興味があって、自分で作ってみたい──、
もうそういうこととはなにもかもが違う。

Date: 8月 26th, 2022
Cate: 真空管アンプ

五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか(50CA10単段アンプ・その9)

ある時期まで、日本で最も多くオーディオマニアに聴かれた真空管(出力管)といえば、
50CA10だったのかもしれない。

ラックスのSQ38シリーズでの採用、
MQ60、そのキット版のKMQ60でも使われている。

以前のステレオサウンドのベストバイでは、
読者の現在使用中の装置というアンケート結果が載っていた。

プリメインアンプでは、SQ38シリーズが一位だったことが続いていた。
そのころはパワーアンプでも、MQ60、KMQ60もけっこう高いところにランクされていた。

私がステレオサウンドにいたころ、井上先生は、
日本における真空管アンプの音の印象というのは、
ラックスのSQ38シリーズによって作られた、といってもいい──、
そんなことを何度かいわれていた。

あたたかくやわらかい音。
すべての真空管アンプに共通する音ではない。

真空管アンプでも、硬い音のアンプもあったし、あたたかくはない音もあった。
にも関わらず、日本では真空管アンプはあたたかくやわらかい音というのは、
やはりSQ38シリーズの影響がそうとうに大きい、といっていいだろう。

いうまでもなくSQ38シリーズ、MQ60に使われていたのが、50CA10である。

SQ38シリーズが製造中止になって、後継機種のLX38も製造中止になっても、
それまでにはかなりの数の、これらのアンプは売れていたのだから、
すぐに誰も使わなくなるということはなかったはずだ。

長い期間、これらのアンプの音は、日本の真空管アンプの音として現役だった。

いまでこそ50CA10を使ったアンプは聴いたことがない、という人が多いだろうが、
昭和の時代はそうではなかった。

だからといって、50CA10の単段シングルアンプを自作して、
そういう音を再現したいわけでもない。

Date: 8月 24th, 2022
Cate: 真空管アンプ

五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか(50CA10単段アンプ・その8)

今回のアンプで流用する電源トランスには、
6.3Vのヒーター用巻線がついている。

電流容量も十分なので、6.3Vヒーターの出力管ならば、たいていのモノが使える。
EL34も使える。

50CA10よりもEL34のほうが、圧倒的には入手しやすい。
いまでもいくつかのメーカーがEL34を製造している。
古い時代のEL34も、少し高くなるけれど入手困難というほどではない。

ならば50CA10ではなく、
他の出力管(EL34など)で単段アンプを作った方が、楽になるところがある。

それでもヒーターが50Vという50CA10にこだわるのは、
最初に聴いた真空管アンプが、ラックスのLX38だということ、
そのLX38の音をいい音と感じてしまったことが、やはり大きい。

それに50CA10を採用したアンプで聴いているのは、ラックスのアンプしかない。
50CA10の音のイメージは、
私にとってはラックスの真空管アンプの音のイメージである。

それはそのままでもいいとは思っているけれど、
せっかく、こうやって私のところに50CA10のアンプが二台やって来たのだから、
自作アンプで、50CA10の音を自分なりに確認したいという気持が起ってきた。

それに武末数馬氏は、50CA10という出力管を高く評価されていたと記憶している。
でせ、だからといって、武末数馬氏のアンプに憧れたことは一度もなかった。

Date: 8月 23rd, 2022
Cate: 真空管アンプ

五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか(50CA10単段アンプ・その7)

50CA10の規格表には、
自己バイアスのA級シングルの場合、
プレート電圧は250V、カソード抵抗は200Ω、
プレート電流は90mA(無信号時)〜95mA(最大出力時)、
負荷抵抗は1500Ωとなっている。

今回の単段アンプで使用(流用)する出力トランスは、
タンゴのU808である。

真空管アンプの自作に多少なりとも関心のある人ならば、
あぁ、あのトランスね、とすぐに思い浮べられるほどよく知られたモノ。

高価なトランスではなく、むしろ安価なトランスで、
ユニバーサル型を謳っていて、一次側は2kΩ、2.5kΩ、3kΩ、5kΩに対応しているが、
トランス本体にも表記してあるように、
一次側の巻線のタップを切り替えることでの対応ではなく、
二次側の巻線のタップをどう使うでの対応になるため、
2kΩと2.5kΩでは二次側は4Ωと8Ω、
3.5kΩと5kΩでは二次側は8Ωと16Ωの対応となる。

そういう出力トランスなので、50CA10の単段シングルアンプでは、
2kΩにして最初は作る予定である。

50CA10のプレート電流は、少し減らすつもりでいる。
70mAちょっとあたりを予定している。

50CA10が四十数年前のように、
安価で入手しやすい球であれば、90mA流すのもいいけれど、
中国でも製造していないのだから、
そしてまれに出てくる新品は非常に高価なのだから、
規格的には余裕を少し持たせたいからだ。

Date: 8月 22nd, 2022
Cate: 真空管アンプ

五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか(50CA10単段アンプ・その6)

倍電圧整流にSiC SBDの採用。
これをやってみようと思ったのには、別の理由もある。

いま押入れで眠ったままのQUADのESL63proの存在だ。
いうまでもなくESL63proはコンデンサー型なのだから、高圧を必要とする。
そのための回路も倍電圧整流である。

50CA10のシングルアンプで、SiC SBDによる倍電圧整流が好結果をもたらしてくれたら、
ESL63proにも使えるはず、と考えているからだ。

SiC SBDを全面的に使用したコンデンサー型スピーカーの音も、
なかなかに興味深い。

もうどこかのメーカーが出しているのだろうか。
それとも、まだなのか。

Date: 8月 20th, 2022
Cate: 真空管アンプ

五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか(50CA10単段アンプ・その5)

たとえばジャディスのJA200やマイケルソン&オースチンのM200のような、
大規模な真空管アンプを手がけるとしたら、
整流管ではなく私でも整流ダイオードを選択するであろう。

けれど私が作りたい真空管アンプは、そんな大規模なモノではない。
数十Wクラス、それも50Wを切るくらいの出力のアンプだから、
いくつかの理由から整流管を選択するのだが、
今回の50CA10は、流用する電源トランスが倍電圧整流が前提ということもあって、
それに巻線の関係もあって、整流管をあきらめざるをえない。

ダイオードで整流するわけだが、
せっかくだから、それに実験的なアンプでもあることから、
ダイオードには、SiC SBDを使う。

SiC SBDとは、シリコンカーバイド・ショットキーバリアダイオードのこと。
自作に関心のある人ならば、数年前から使っているだろうし、
関心を寄せているとも思う。

整流ダイオードの種類と、その音については、
いろんな意見があるのは知っている。

SiC SBDは絶賛する人がけっこういる。
でも否定的な人もいるといえばいる。

でも、ダイオードとしては高価なほうだが、
絶対的な価格としてはさほど高いわけではない。

うまくいかなければ、一般的なダイオードにすればいいし、
私自身、SiC SBDを試してみたいのだから、
今回の50CA10の単段シングルアンプでは、まずはSiC SBDで作る。
すでに注文済み。

Date: 8月 19th, 2022
Cate: 真空管アンプ

五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか(50CA10単段アンプ・その4)

50CA10単段シングルアンプのシャーシーには、鈴蘭堂のSL8を考えている。
鈴蘭堂といっても、いまでは会社がなくなっているが、
タカチがSLシリーズを引き継いで製造してくれている。

タカチの型番はSRDSL8である。
SRDは、鈴蘭堂の略。

できればもっと小さなシャーシーがほしいし、
伊藤先生のアンプに憧れてきた私にとっては、シャーシーの高さが50mmであれば、
もっといいのに、と思うのだが、それでもタカチはいまも製造してくれている。
このことは、ありがたい。

SRDSL8のサイズは、W350×H58.2×D224.5mm。
まだシャーシーは注文していないが、
トランス類はすべて自作アンプから取り外して、
SRDSL8の天板と同じサイズの紙の上に並べている。

こうやって全体のバランスをおおまかに決めていく。
そして次は発泡スチロールを用意して、真空管を挿せるようにして、
こまかく配置を決めていく。

こんな地味なことから、始まっていく。

Date: 8月 17th, 2022
Cate: 真空管アンプ

五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか(50CA10単段アンプ・その3)

50CA10単段シングルアンプの構想を練っていると、けっこう楽しい。
回路に関しては、すでに出来上っている、というか、
単段シングルアンプを作ろうと思った時点で、すでに出来上った、といえる。

あれこれ考えて楽しいのは、全体の構成である。
電源トランス、出力トランス、チョークコイル、
これらはすべて私のところにやって来た自作アンプから流用する。

私としては整流管を使いたいところなのだが、
電源トランスの巻線の関係で、それは難しい。
ならば電源トランスだけでも買ってくれば──、となるわけだが、
そうすると構想が膨らんでしまう。

もっといい電源トランスにしたのだから、
出力トランスも、とか、チョークコイルも、とかになってくるし、
それに個人的にタンゴのトランスの外観は好きではない。

ラックス、タムラ、タンゴが、私が真空管アンプに興味を持った頃、
日本のトランスメーカーとして名が知れているのは、この三つのブランドだった。

まだサンスイのトランスも現役だったはずだが、
ラジオ技術、無線と実験で見る製作記事では、これらのトランスが大半だった。

野暮ったいな、がタンゴのトランスに対する印象だった。
それはいまも変らない。

でも、そんなことを言っていては製作は進まなくなる。
だから、ここはタンゴのトランス類をそのまま使うことで、
とにかく作ることを優先したい。

シャーシーも市販のモノを使う予定だ。
シャーシーも特註したい気持はあるが、
そこまですると予算オーバーだし、製作が止ってしまう。

市販シャーシーにタンゴのトランス。
それで、どうまとめるかを考えていると、けっこう楽しい。

Date: 8月 15th, 2022
Cate: 真空管アンプ

真空管アンプの存在(と取り巻いていること・その6)

ここ数年、ソーシャルメディアで目にすることが増えてきたのが、
球ころがし、である。
真空管は、比較的簡単に交換できる。
それにいくつかの真空管は、複数のブランドのモノが手に入る。

手軽に挿しかえられ、あれこれ試せる(楽しめる)。
その行為を、球ころがしという人たちが増えてきているように感じている。

本人たちは喜々として、球ころがしといっているのだろうが、
球ころがしは、土地ころがしから来ているとしか思えない。

土地を安い時に買っておいて、高くなったら売る。
その投機的行為のなかでも悪質なのを、土地ころがしという。

球ころがしなんて言っている人たちは、
土地ころがしの意味を知った上で使っているのか。
だとしたら、真空管の転売屋だといっているようなものである。

交換して音の違いを楽しんでいるだけなのであれば、
球ころがしなんて表現は使わない方がいい、と思う。