マルチアンプのすすめ(その29)
技術的に判断すれば、スピーカーシステムに内蔵されているネットワークで鳴らすよりも、
ウーファーに専用アンプを用意して鳴らすバイアンプ駆動、
さらには各ユニットにそれぞれアンプを用意する、より徹底したマルチアンプ駆動のほうが、
理想に近いといえば、そういうことになる。
とにかくアンプとスピーカーユニットの途中に、コンデンサーやコイル、抵抗といったモノが介在しない。
よりストレートにアンプがスピーカーユニットを駆動できるのだから。
もちろんアンプの数がふえていくとそれだけ使い手に、より高い使いこなしの技術が要求されることになり、
それが足りなければ、ひどい音で鳴る可能性も高くなっていく。
それでもマルチアンプには、うまくいけば、ネットワークでは鳴らない領域の音が鳴ってくれる。
そんな期待を、使い手は抱く。
すべての点でマルチアンプ(もちろんうまく調整された場合)は、
ネットワークで鳴らすよりもよく鳴るのだろうか。
マルチアンプ・システムがうまく鳴ったとしても、
ネットワークで鳴らしていたときに得られていたもの(良さ)が無くなってしまうことはないのか。
何度も書いているように、この世の中にメリットだけの方式は存在しない。
マルチアンプ、ネットワーク、どちらにもメリットとデメリットがある。
そのマルチアンプのデメリット(苦手とするところ)は、
この項の(その4)で引用した五味先生の文章から読みとれる。