マルチアンプのすすめ(その17)
タンノイをはじめとするイギリス系のスピーカーシステムに関してはマルチアンプ駆動は考えていない、
と書いておきながら、
同じタンノイのスピーカーシステムでも、Kingdom(現行製品のKingdom Royalではなく、最初のモデル)なら、
全帯域のマルチアンプ駆動は考えないものの、46cmウーファーだけは専用アンプをもってきたい。
いわゆるバイアンプ駆動を試みてみたい。
結局、マルチアンプにするのかしないのか、は、
私の場合、そのスピーカーシステムが生れた国と関係していながらも、
Kingdomのように、これは積極的にマルチアンプで鳴らしたいスピーカーシステムもある。
マルチアンプにするのかしないのか、
その分れ目はどこにあるのか、私の中にはどうもはっきりと存在している、と感じているけれど、
それを言葉にして書くとなると、意外に難しいことに気づく。
ではイギリスを始めとするヨーロッパ以外のスピーカーシステムに関してはどうかといえば、
JBLのシステムだから、といって、すべてのJNLのスピーカーをマルチアンプで鳴らそうとは思っていない。
4350、4355といった、JBL側がバイアンプ仕様としているスピーカーシステムを除いて、
バイアンプをふくめてマルチアンプで鳴らしたいのは、4343が最初にくる。
内蔵ネットワークで鳴らす4343のスタイルもいいと思っていても、
瀬川先生が書かれていたころのステレオサウンドを熱心に読んできた者には、
どうしても4343はいちどはマルチアンプ(バイアンプ)で鳴らしてみたいスピーカーなのである。
他に何があるだろうか。
自分の手で鳴らしてみたいスピーカーシステムで、しかもマルチアンプで、というスピーカーシステムが。
アルテックの604シリーズは、同軸型ユニットのメリットを最大に活かす、という意味で、
デジタル信号処理のディヴァイディングネットワークによるマルチアンプ駆動は、ぜひやってみたい。