マルチアンプのすすめ(その24)
10代、20代の若いオーディオマニアならば、自分のルール(制約)をもっていなくとも、
それに関しては何も言わない。
若いときには、むしろルールなど設けずに、
積極的にあれこれ試した方がいいことだってあるからだ。
菅野先生が以前よくいわれていたことに「若さはバカさ」がある。
ある程度の年齢になってみると、
「若さはバカさ」の意味が実感できるようになる。
「若さはバカさ」である。
へんに小さくまとまるよりも、「若さはバカさ」を発揮した方がいい。
そうやっていれば、自分の裡にルールが形作られてくる。
「若さはバカさ」ができる年齢とはいつまでなのだろうか。
20代でなくなったら、「若さはバカさ」といえなくなるのだろうか。
30も後半になると、「若さもバカさ」でもないだろう、
まして40すぎたら、もう若くもないし……、という気持になるかもしれない。
けれど、常に自分よりも年上のオーディオマニアは誰かしらいてくれる。
そういう人がいてくれるあいだは、その人からみれば、
30になろうと40になろうと、50をすぎても、若いということになるのだから、
「若さはバカさ」をどこかに保ったままでもいいのかもしれない、とも思う。
ただ自分よりも年上の人よりも徐々に年下の人が多くなってくる。
そのころから、若い人たちに対して「若さはバカさ」なんだから、というようになるのかもしれないし、
そういう年齢になったときに、自分だけのルールを持っていなかったら、
もう「若さはバカさ」ではすまされない──、そんな気がする。