音について(その1)
自分が何がわかっていて、何がわかっていないのか、
それを正しく知ることの難しさだけでなく、
同じ趣味をもつ人と話していて、目の前の人が何がわかっていて、何がわかっていないのか、
これを正しく知ることはもっと難しいことなのかもしれない。
それでも会話は成り立つ。
成り立っているようではあるけれど、どこかで食違いが発生したりすることだってあろう。
そんなつもりで話したのではないのに、
別の解釈で受けとめられ、それがいいほうへの理解へと変っていったり、
そのことがこちらへの刺戟(気づき)ともなったりするのだから、
会話はおもしろい。
とはいえ、話していると、私にとって常識であり、
オーディオマニアにとっては多くの人にとっても、そのことは常識である、
そう思っていたことが、意外にもそうではなかった、ということが何度かある。
これはもう話してみるからわかることである。
話してみないことにはわからない。
オーディオマニアすべての人にとっての常識なんてものは、世の中には存在しないのかもしれない。
ここでは、音について書いていこう、と考えている。
何人かの人と話していて、あっ、と気がついたことに音の性質に関することがあったからだ。