Date: 12月 18th, 2013
Cate: マルチアンプ
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マルチアンプのすすめ(その19)

仮想同軸配置といえるJBLのパラゴン。
このパラゴンを構成する三つのユニットの位置は、
通常のスピーカーシステムでは考えられないほど離れている。

ウーファーがもっとも奥に位置して、
トゥイーター、スコーカーが、ウーファーのホーンの開口部に取り付けられている。

それぞれのユニットから放射された音が、
聴き手の耳に届くまでの時間は、ばらばらといえる。

時間軸が揃っているかどうかの観点からすれば、
はなはだ時代遅れのスピーカーシステムということになる。

このことはいまさら指摘されるまでもなく、以前からいわれていたことであり、
デジタル信号処理が実用化されはじめたころから、
パラゴンの、それぞれのユニットの時間軸を補整する、という試みは、
パラゴンに関心をよせる人ならば、考えていたことであろう。

これはたしかに実験してみたい。
いったいどういう音に、パラゴンの音が変化するのか。
そうやって鳴らしたときが、パラゴンの音の真価なのか。
そういったことを自分の耳で確かめたい。

こういったことは実際にやってみないことにはなにもいえない。
頭の中で考えれば、理想的なパラゴンの鳴らし方ということになるけれど、
実際の鳴らし方として、それが理想的といえるのか、
最上といえるのか、そこまでいかなくともより良い鳴らし方となるのか。

オーディオはやってみないことにはわからないことがある。

もしパラゴンをそうやって鳴らして、ひじょうにいい結果が得られたとしよう。
それであれば、もし私がパラゴンを自分のスピーカーとして鳴らすときに、
デジタル信号処理とマルチアンプの組合せで鳴らすかといえば、
内蔵ネットワークに戻す、と思う。

一度、どこまで鳴るのかを確認しておきたい。
そのうえで、あえてネットワークに戻して、鳴らしはじめる。

なぜかといえば、私にとってパラゴンとはそうやって鳴らすスピーカーシステムであるからだ。
パラゴンを鳴らすうえでのルール(制約)を自分で決めて、
それを守って鳴らすこと。
これはオーディオにとって重要なことだと思っている。

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