JBLのユニットのこと(先入観・その2)
ステレオサウンド 4号から10年後に出た別冊HIGH-TECHNIC SERIES-1でも、
井上先生はJBLの130AとLE175の組合せについて書かれている。
ここでのホーンはパーフォレイテッドプレート型ではなく、
スラントプレート型の音響レンズつきのHL91である。
130Aをおさめるエンクロージュアは、
ステレオサウンド 4号ではC40(つまりハークネス)で、
HIGH-TECHNIC SERIES-1では4530。
どちらもバックローディングホーン型式である。
そういう違いはあるものの、基本的には同じユニット、エンクロージュアの組合せで、
スピーカーシステムを構成されている。
HIGH-TECHNIC SERIES-1でも、こう書かれている。
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システムトータルの音は、いわゆる、現在でいうJBLサウンドではないが、比較的に小音量で鳴らすときにはハイファイというよりは、ディスクならではの蓄音器的なノスタルジックな響きである。
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いま私は、これと基本的に同じといえるシステムで聴いている。
D130とLE175DLH、エンクロージュアはC40である。
たしかに比較的に小音量で鳴らしたときの、このシステムの音は穏やかであるし、
「蓄音器的なノスタルジックな響き」を、帯域を拡げた音とも感じられる。