EMT 930stのこと(購入を決めたきっかけ・その1)
音の入口にあたる機器には、できるだけ贅沢をしたい。
ここのところをお金をけちっていては、ダメだということはわかっていた。
だから、自分の買える範囲内で買える最高のモノ、ではなくて、
その範囲を超えたところのモノを買うぐらいの気迫がなければ、と思っている。
だからアルバイトも何もしていない時に、
とにかくSMEの3012-R Specialだけは12回払いで買ってしまった。
そのころの憧れのプレーヤーはEMTの927DstとトーレンスのReferenceだった。
どちらかが欲しかった。本音は両方欲しかった。
とはいえ927Dstはすでに製造中止になっていて、最後の価格は300万円を超えていた。
トーレンスのReferenceもほぼ同じような価格だった。
このくらいになると、買える範囲を超えたところには違いないが、
あまりにも範囲を超えてしまいすぎていて、ただ憧れるしかなかった。
そんなときにトーレンスからReferenceの廉価版が出る、というニュースが伝わってきた。
廉価版といっても、トーレンス創立100周年記念モデルということだったから、期待は脹らむ。
Prestigeが入ってきた。
ステレオサウンドの試聴室にやって来た。