EMT 930stのこと(その8)
これから書くことは、一年ほど前に書いたことのくり返しになる。
別項「私にとってアナログディスク再生とは(リムドライヴのこと)」で、
モーターの回転方向について書いた。
ターンテーブルの駆動方式としては理想と思われたダイレクトドライヴは、
その名の通りモーターの回転がそのままターンテーブルの回転となるため、
ターンテーブルの回転方向(時計廻り)とモーターの回転方向は同じである。
ベルドドライヴもダイレクトドライヴ同様、
モーターの回転数とターンテーブルの回転数は異るけれど、回転方向は時計廻りで同じである。
ところがリムドライヴだけはモーターがターンテーブルとは逆に反時計廻りである。
カラードの301、401にしろ、EMTの927Dst、930stにしろ、
リムドライヴであるかぎり、ターンテーブルは時計廻り、モーターは反時計廻りである。
ターンテーブルとモーターの回転方向が逆ということが、
ターンテーブルの回転の安定性にどう影響・関係してくるのか、
それを理論的に説明することは私にはできないけれど、
よく出来たリムドライヴのアナログディスクプレーヤーに共通して感じられる良さ、
それはこのことと無関係ではないだけでなく、深く関係しているはずだと、直感している。