EMT 930stのこと(その6)
アナログディスク再生ではカートリッジの針先がレコードの溝をたどった際に発生する振動が、
カンチレバーの奥に取り付けられている(MC型の場合)コイルに伝わり、
このコイルが磁気回路内で動くことにより発電し、音声信号が得られる。
カートリッジが信号を生み出していることになるわけだが、
ただレコードの溝に針を落としただけではカートリッジは発電はしない。
あくまでもレコードが回転しているからこそ、カートリッジは発電できる。
レコードが回転できるのは、レコードを乗せているターンテーブルが文字通り回転しているからである。
こんなふうに考えていけば、ターンテーブルの回転こそが、
アナログディスク再生におけるエネルギーの源と捉えることができる。
そして、これも当り前すぎることで、こうやって書くのもどうかと思ってしまうのだが、
ターンテーブルの回転エネルギーの源はモーターである。