Date: 10月 7th, 2013
Cate: 930st, EMT
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EMT 930stのこと(その5)

カセットテープ(デッキ)とオープンリールテープ(デッキ)の音の安定感の違いを生み出しているのは、
走行系の安定性だと私は思っている。

テープというものはベースとなる材質を考えても、
片方のリールにしっかりと巻かれているテープが、もう片方のリールへと巻き取られていくことによる変動要素、
そういったことを考えると、一朝一夕に走行の安定性が得られたのではないことはわかる。

いろいろなメーカーがさまざまな試みをやった結果として、
現在のオープンリールデッキが完成したのであり、その成果は見事だと思う。

そんなオープンリールテープ(デッキ)とくらべると、
カセットテープは走行系が弱い、と言わざるを得ない。

フィリップスがカセットテープを開発してから、
おもに日本のメーカーが躍起になったことで、ずいぶんと走行の安定性は得られるようになったといえても、
やはりカセットテープの構造上、テープを取り出してテープを走行させることができないため、
録音ヘッド、再生ヘッドへのタッチの具合もふくめて、
オープンリールテープ(デッキ)にはどうしてもかなわない。

カセットテープと同じようにプラスチック製のケースにテープがおさめられているビデオテープ、DATテープ、
これらはテープをケースの外側に引き出してヘッドに巻きつけて走行させている。

ビデオテープ、DATテープが、カセットテープと同じ構造であったら、どうなっていただろうか。

アナログディスクにおけるテープの走行性にあたるのは、いうまでもなくターンテーブルの回転である。

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