SE401とSE408Sは共通のダイキャストフレームを採用しているため、
コンストラクションは基本的に同じである。
中央にアンプ部があり、これを挟むように片側に電源トランス、
反対側に整流ダイオード、平滑コンデンサーが配置されている。
SE401ではインターステージトランスがあるため、
平滑コンデンサーのブロックに、このトランスはまとめられている。
それ以外にも違いはある。
アンプ部のプリント基板の取り付け方が違う。
SE401ではイコライザーボードを含めて、増幅回路の基板も垂直配置になっている。
SE408Sではイコライザーボードは垂直だが、増幅回路の基板は水平配置に変更されている。
SE408Sでは電源回路は左右共通になっているが、
コンストラクション的にはデュアルモノーラルコンストラクションになっている、といえる。
ステレオアンプとして見た場合、SE401とSE408Sのこの違いはかなり重要な意味をもつ。
回路構成が変ったこともあってだが、
SE408Sはアンプとしてうまくまとめられている。
SE408Sそのものがアンプユニットといえる面をもっている。
SE408Sのコンストラクションは、ダイキャストフレームにヒートシンクを兼ねさせることを含め、
高く評価したいのだが、だからといって問題点がないわけでもない。
まず重量物の電源トランスが片持ちになっている。
このことは平滑コンデンサーに関してもいえる。
現代アンプの、よく考えられているコンストラクションを見た目には、
SE408Sの構造から来る問題点は、少なからず音に影響を与えていることは容易に想像できる。
では電源トランスが片持ちにならないように、反対側になんらかのフレームを用意するのか。
それはみっともないことになる。
解決方法は意外に簡単である。
SE408Sを水平に設置するのではなく、垂直に設置すればいいだけだ。
ダイキャストフレームがフロントではなく、ボトムになるようにする。
こうすることで電源トランスもコンデンサーも垂直配置になるし、
増幅回路の基板に関しても、水平配置では、片チャンネルの基板が下側にくるため、
左右チャンネルの条件があまり等しいとはいえなかったが、垂直設置にすれば、
増幅回路の基板も垂直になり、左右チャンネルの条件はそうとうに等しくなる。
SE408Sを垂直設置した音はまだ聴いていないが、
水平配置よりも音場の拡がりは増すはずだし、
帯域バランスもより低域がしっかりしてくるものと予想できる。
それに垂直設置したときのSE408Sは、まさにプロ用アンプモジュールそのものに見えてくる。