Archive for category ディスク/ブック

Date: 7月 30th, 2023
Cate: ディスク/ブック

SOUTH PACIFIC(その6)

“SOUTH PACIFIC”にしても、アルテックのA4にしても、
別項で書いているスピーカーの音が嫌いな人にとっては、
どちらも、そして両方を組み合わせた音は、とうてい楽しめるという音ではない──、
そんなことになるだろうと思っている。

そのことが悪いとも思っていない。
けれど……、とおもうこともある。

Date: 7月 23rd, 2023
Cate: ディスク/ブック

SOUTH PACIFIC(その5)

瀬川先生の「たのしい」は、アルテックのA5のところでも登場する。
     *
瀬川 根本的に同意見なんですけれども、A4で非常にいいなと大づかみに感じた部分が、そっくりそのまま、ぜんたいに、ちょっとスケールが小さくなるのは当然で、みなさん、おそらくこの写真をごらんになると、A4をバックにしたA5がいかに小さく見えるか、逆に言えばA4というのが、いかに大きなスピーカーかということにお気づきにあると思う。
 A4でも感じた音の魅力、声がすばらしく明瞭、新鮮、なめらか、声帯がとてもなめらかという感じで、聴きなれた歌手の声でさえ、いっそう上手になったように、たのしく聴けます──この〝たのしい〟っていうのは、ぼくはなん度も使っちゃってるみたいだけれども、〝たのしさ〟というのが、ここの信条でしょうね。
 なんと言うんだろう──、音を無理におさえつけない、とにかく、音のほうが鳴りたがっている、鳴りたがっている音をそっくり、きれいに出してくれるという感じですね。
     *
ステレオサウンド 60号の特集は、何度も読み返している。
アルテックのスピーカーの音も、その後、何度か聴く機会があった。

瀬川先生のいわれる〝たのしい〟も、それなりに理解していたつもりだった。
けれど、“SOUTH PACIFIC”をMQAで聴いて、
まるで理解が足りなかったことに気づいた。

Date: 7月 23rd, 2023
Cate: ディスク/ブック

Solveigs Sang(その2)

その1)を書いた時点では、
アメリングのソルヴェイグの歌が、MQAで聴けるようになるなんて、ほとんど期待していなかった。

デ・ワールト指揮のペール・ギュントで、
アメリングはソルヴェイグの歌を歌っているわけだが、
エド・デ・ワールトのペール・ギュントのアルバムは、いまでもFLACでの配信のままだが、
5月のアメリングのMQAの配信の開始によって、
ソルヴェイグの歌はMQAで聴けるようになっている。

MQAで聴ける環境を持っている人は、一度聴いてほしい。

Date: 7月 23rd, 2023
Cate: ディスク/ブック

キャスリーン・バトルのアルバムも

5月にエリー・アメリングのアルバム、
7月にピエール・ブーレーズのストラヴィンスキーのアルバムが、
TIDALでMQAで配信されるようになった。

いよいよユニバーサル・ミュージックもMQAでの配信に力を入れてくれるのか、
そんなふうに期待できそうな風を感じていた。

数日前、今度はキャスリーン・バトルのアルバムがMQAで配信され始めた。
キャスリーン・バトルということに、それほど嬉しさは感じていないが、
1980年代のデジタル録音をふくめてMQAで、ということは素直に嬉しい。

今後、どうなるのかはわからないけれど、
今年は昨年までとは少し違うようだ。
ユニバーサル・ミュージックのMQAへの期待は大きくなっていくばかり。

Date: 7月 19th, 2023
Cate: ディスク/ブック

花図鑑(その2)

これまでTIDALで聴ける薬師丸ひろ子のアルバムは「時の扉」だけだった。
MQAで聴ける。

しばらく、この一枚だけだった。
いつかは他のアルバムも聴けるようになるだろう、と期待しつつも、
無理かな……、という気持も持ち始めていたところに、
「歌物語」もMQAで配信されていることに気づいた。

気づいたのは数日前。
いつから配信されるようになったのかははっきりとわからないが、
そう経っていないはずだ。

e-onkyoがMQAをやめてしまったため、
薬師丸ひろ子の歌声をMQAで聴こうと思ったら、TIDALということになる。

「花図鑑」も、TIDALで配信される日がくるかもしれない。

Date: 7月 15th, 2023
Cate: ディスク/ブック

SOUTH PACIFIC(その4)

ステレオサウンド 60号で、菅野先生はアルテックのA4について、こう語られている。
     *
菅野 まったく、瀬川さんが言われるようにそりゃ本物と近いとか遠いとかいうようなことを、もう考えさせない、もう出てくる音が実に魅力的なんです。
 例の〝サウス・パシフィック〟のレコードでびっくりしたのが、あの声。相当音量をあげて映画をほうふつさせようという鳴らしかたをしていたんですが、人間の声としたらああいうものは非常にむずかしいはずです。
 オーケストラの音は、何十年かまえにとって、声はもうまったくいまとったというようにフレッシュでみずみずしくて、リアリティがあって、ほんものよりもほんものらしいというやつだ。それがなんともこたえられない魅力でした。こういう声の再生はやっぱりアルテックじゃないと無理なんじゃないでしょうか。
     *
“SOUTH PACIFIC”のサウンドトラックを、TIDALでMQAで再生して、
最初に鳴ってきた音を聴いて感じたのは、おおむね菅野先生が語られていることと同じだった。

映画は1958年公開なのだから、録音は1957年か1958年。
当然、録音器材は管球式のモノばかりのはずだ。

そのことから、こんな感じの音なのだろう、という予想をしていた。
その予想というのは、同時代のクラシックの録音を聴いての印象をもとにしたものだった。

けれど、鳴ってきた音は、大きく違っていた。
《本物と近いとか遠いとかいうようなことを、もう考えさせない、もう出てくる音が実に魅力的》、
まさにそういう音だった。

色がついているといったらいいのだろうか。
聴いてやっとわかった。
瀬川先生が、60号の特集「サウンド・オブ・アメリカ」に、
この“SOUTH PACIFIC”を持参された理由がわかる。

Date: 7月 14th, 2023
Cate: ディスク/ブック

SOUTH PACIFIC(その3)

“SOUTH PACIFIC”のことをなぜ書き始めたのか。
理由は──、もう想像がつくという人がいるだろうが、
TIDALにあったからで、しかもMQAで配信されていたからだ。

数日前、そういえば、とふっと“SOUTH PACIFIC”のことを思い出した。
TIDALにあるだろうな、と思ったら、やっぱりあった。

ステレオサウンド 60号のころの私は、“SOUTH PACIFIC”をアルテックで聴いてみたい、
と思いながらも、“SOUTH PACIFIC”のレコードを欲しい、と思っていたわけではなかった。

探すこともしなかった。
そういうディスクのことを、急に思い出したのは、
完全な状態とはいえないものでも、あるところでアルテックのA4に触れたからなのかもしれない。

60号に登場するA4とユニット構成はほぼ同じ。
ホーンがより大型の1505Bで、210エンクロージュアには左右のウイングがない。

ネットワークは家のどこかにあるはずだけど……、
けれど見つからず、とりあえず288-16Kのローカットだけをコンデンサーだけで行う。

A4が収まっている部屋なのだから、スペース的に広いとはいうものの、
A4のためのスペースとしては狭い。

とりあえず鳴らしてみよう、そんな感じでの音出しだったにもかかわらず、
やはりアルテックなのだった。

そんな表現をされても、
アルテックのシアター用スピーカーの音を一度も聴いたことのない人は、
わからないよ、といわれるのは承知のうえで「やはりアルテック」だった。

その音が、“SOUTH PACIFIC”を思い出させたのだろうし、
TIDALで“SOUTH PACIFIC”を聴いたあとに、60号を読み返す。

何かを書きたくなった次第。

Date: 7月 12th, 2023
Cate: ディスク/ブック

SOUTH PACIFIC(その2)

“SOUTH PACIFIC”をアルテックのスピーカーで、一度でいいから聴いてみたい。
ステレオサウンド 60号を読んだ人ならば、そう思われた方も少なくないはずだ。

その音で、日常的に詩文の好きな音楽を聴きたいと思うわけではないけれど、
それでも聴いてみたい、というよりも聴いておきたい音というのがある。

とはいえアルテックのA4で“SOUTH PACIFIC”というのは、叶わぬこととあきらめてもいた。
60号に登場するA4のシステム構成は次の通り。

エンクロージュアは210、ウーファーは515Eのダブル、
ドライバーは288-16K、ホーンは1005Bにスロートアダプター30210を組み合わせたモノ。
ネットワークはN500FAである。

210エンクロージュアには両サイドに補助バッフルがつく。
その際の外形寸法は、W205×H213×D100cm。
この210の上に大型のマルチセルラホーンがのるわけだから、
はっきりと劇場用のスピーカーシステムである。

かなりの大型スピーカーシステムを縦いに持ち込む人が多い日本でも、
A4を自宅で聴いています、という人は、どれだけいたのだろうか。

60号に掲載されているザ・スーパーマニアには、
A4をお寺の本堂に置かれている方が登場しているが、
それでも高さ的にはA4が窮屈そうにみえる。

60号の特集の試聴で使われたのは、ステレオサウンド試聴室ではなく、
54畳ほどのかなり広い空間である。
     *
瀬川 ただ、幸か不幸か、日本の住宅事情を考えますと、きょうはここは54畳ですね。ここでA4を鳴らすと、もうA4では部屋からはみ出しますね。大きすぎる。A5になって、どうやら、ちょうどこの部屋に似あうかな、でも、もうすこし部屋が広くてもいいなという感じになってくるでしょう。
 ただ現実にはわれわれ日本のオーディオファンは、A5を6畳に入れている人が現にいますよね。一生懸命鳴らして、もちろん、それはそれなりにいい音が出ているけれども、きょうここで聴いた、この開放的な朗々と明るく響く、しかもなんとも言えないチャーミングな声が聴こえてくる。このアルテック本来の特徴が残念ながら、われわれの部屋ではちょっと出しきれません。どんなに調整しこんでも……。
 逆に菅野さんが言われたように、このシリーズはクラシックが鳴りにくいと言われた、それがむずかしいと言われた。むしろ6畳なんかでアルテックを鳴らしている人は、そっちのほうに挑戦してますね。
 つまり、このスピーカーは、ほっとくとどこまでも走っていきたくなるあばれ馬みたいなところがある。そこがまた魅力でもあるんだけれども、そこをおさえこみ、おさえこみしないと、6畳ですぐそばじゃとっても聴けないですね。そこをまたおさえこむテクニックはたいしたものだと、ぼくは思います。実際、そういう人の音をなん度も聴かせてもらっているけれども。
 でも、それが決してアルテックの本領じゃない。やっぱり、アルテックの本領は、この明るさ、解き放たれた自在さ、そしてこれは今日的なモニタースピーカーのように、原音にどれほど忠実かという方向ではないことは、このさい、はっきりしておかなくちゃいけない。物理的にどこまで忠実に迫ろうかというんじゃなくて、ひとつの音とか音楽を、ひとりひとりが心のなかで受けとめて、スピーカーから鳴る音としてこうあってほしいな、という、なにか潜在的な願望を、スッと音に出してくれるところがありますね。
 実にたのしいと思うんです。この音を聴いてても、ぜったい原音と似てないですよ。だけど、さっきサウンド・トラック盤をかけた、あるいはヴォーカルをかけた、あのときの歌い手の声の、なんとも言えず艶があって、張りがあって、非常に言葉が明瞭に聴き取れながら、しかも力がある。しかし、その力はあらわに出てこない。なんともこころよい感じがする。
 あの鳴り方は、これぞ〈アメリカン・サウンド〉だ、と。
     *
「たのしい」とある。
この瀬川先生の「たのしい」は、この後にも出てくる。

Date: 7月 12th, 2023
Cate: ディスク/ブック

SOUTH PACIFIC(その1)

“SOUTH PACIFIC”。
邦題は「南太平洋」。1958年(日本公開は1959年)の映画であり、
サウンドトラックのタイトルだ。

“SOUTH PACIFIC”ときいて、
ステレオサウンド 60号の特集「サウンド・オブ・アメリカ」のことを、
いまではどれだけの人が思い出すのだろうか。

もう四十年以上前の記事だし、
そんな古いステレオサウンドは読んだことがない、という世代の人もいよう。

60号を読むまで、“SOUTH PACIFIC”のことは知らなかった。
60号の110ページに、
「アメリカン・サウンド試聴のために集められた機器群」として、
当時の現行製品からすでに製造中止になっていたマランツのModel 7とModel 9など、
この写真をみているだけで、当時の編集部の、この特集への意気込みが伝わってきていた。

アナログプレーヤーは、トーレンスのリファレンス。
リファレンスの置き台に、試聴ディスクが立て掛けられている。
手前にあるのが、“SOUTH PACIFIC”である。

このディスクのことは、アルテックのところに出てくる。
60号の特集に登場するアルテックのスピーカーシステムは、三機種。

A4とA5FとMANTARAY HORN SYSTEMである。
     *
 ぼくが個人的に非常におもしろかったのは、A4のために、瀬川さんがわざわざトーキーのサウンド・トラック・レコードを持ってきて──〝サウス・パシフィック(南太平洋)〟ですけれども──それをかけて、A4の調整にはかなり苦心して、いい状態で鳴らしてみたら、やはりさんざんぼくなんかなじんでいた劇場のウェスターン・エレクトリックの音、ああいうのがよみがえってくるという感じがありました。
     *
このあとにも、“SOUTH PACIFIC”のことは出てくる。
だから、110ページの写真で、“SOUTH PACIFIC”のディスクが手前にあるのは、
編集部が意図してのことのはずだ。

Date: 7月 10th, 2023
Cate: ディスク/ブック

ブーレーズのストラヴィンスキー

ピエール・ブーレーズがシカゴ交響楽団を指揮してのストラヴィンスキーが、
TIDALでMQAで聴けるようになった。

「火の鳥」、「花火」、管弦楽のための4つの練習曲をおさめたアルバムで、
1992年の録音。サンプリング周波数は44.1kHzである。

これが、TIDALでMQAで聴ける。
少し前に、アメリングのアルバムがMQAで配信されるようになった。
そこにはデジタル初期の録音だったのが、MQAで聴けるようになったことは、
少し前に書いたばかりだ。

アメリングがMQAで聴けるようになったときに、
もしかすると今年はユニバーサル・ミュージックがいよいよMQA配信に本気になるのか。
そんなふうに期待した。

どうなるのかはまだなんともいえないが、
ブーレーズのストラヴィンスキーもMQAになったことで、ますます期待はふくらむばかり。

ドイツ・グラモフォン、デッカ、
フィリップスの初期のデジタル録音がMQAで聴けるようになったら──、
期待しているのは私だけではないはずだ。

個人的にはボザール・トリオをMQAで聴きたい。
それからバーンスタインのマーラーとブラームス、
そしてカラヤンのパルジファルもだ。

Date: 7月 5th, 2023
Cate: ディスク/ブック

The “V Discs”-The Columbia Years 1943 – 1952

別項で書いているクレデンザを、先月に聴いたとき、
初めてVディスク(V Disc, Victory Discの略)を聴いた。

Vディスクのことは知っていた。
けれど実物を見たことはなかった。
それが先月、初めてVディスクを聴くことができた。
それもクレデンザで、だ。

昨日、ある方からフランク・シナトラの“Duets II”のCDをいただいた。
タイトルそのままの内容で、シナトラが、14人の歌手とデュエットしている。

いいディスクだ。
聴き終って、TIDALを検索してみた。
もう一枚のアルバムと一つにした“Duets (20th Anniversary Deluxe Edition)”があった。

そんなふうにTIDALを眺めていたら、
“The “V Discs”-The Columbia Years 1943 – 1952”もあることに気づいた。

コロムビア時代の録音だから、MQA Studio(44.1kHz)で配信されている。

TIDALにも、ないアルバムがそこそこあるのは知っている。
けれど、こんなふうに探していくと、いったいどれだけあるのだろうか、と嬉しくなってくる。

Date: 6月 27th, 2023
Cate: ディスク/ブック

Leroy Walks!(その2)

Leroy Vinnegarの“Leroy Walks!”が、TIDALで聴けることは、
TIDALを使い始めたころに検索して知っていた。

“Leroy Walks!”、いまではTIDALでMQAで聴けるようになっている。
192kHz、24ビットで配信されている。

つい最近、MQAでも配信されるようになったようだ。

4月にMQAの破綻のニュースがあった。
それ以降、MQAがどうなるのかについての詳しい情報は入ってこないけれど、
いまのところ新譜も旧譜も、MQAでの配信が活発に続いている。

Date: 5月 19th, 2023
Cate: ディスク/ブック

エリー・アメリングの「音楽に寄せて」

1933年2月8日生れのエリー・アメリングは、今年生誕90年。
ということで、29枚組のCDボックスが発売になった。

e-onkyoでもリマスターでの配信が、今日から開始になっている。
TIDALでは?
ほとんど期待していなかったけれど、いちおう見てみた。

するとMQAでの配信が始まっている。
フィリップスへのデジタル録音だったアルバムも、MQAになっている。

アメリングによる「音楽に寄せて」は、
ステレオサウンドの試聴室で数え切れないくらい聴いている。

名曲なのは承知している。
とはいっても、一日に何度もくり返し、しかもそういう日が続く。
そういう聴き方をしてきただけに、
アメリングの「音楽に寄せて」は、かなりながいこと聴いてこなかった。

それが昨年あたりから、ふたたび聴くようになった。
聴くたびに、MQAだったらなぁ、とおもっていた。

それでも1982年のデジタル録音だけに、MQAでの配信は、
ソニー・クラシカルではないのだから、まずないだろうなとなかばあきらめていた。

そこにMQA(48kHz)で配信。
フィリップスへの録音だったから、デッカからのリリースということになっている。
デッカは、ドイツ・グラモフォンと同じユニバーサル・ミュージック。

別項で書いているようドイツ・グラモフォンは、
MQAでの配信をやめてはじめている。
その一方で、新譜はMQAでの配信だったりして、
MQAをやめるのか継続するのか、
なんともはっきりしないドイツ・グラモフォンの態度を見ているだけに、
今回のMQAでの配信は、意外でもあり嬉しいことでもある。

Date: 5月 19th, 2023
Cate: ディスク/ブック

宿題としての一枚(その13)

この項であげてきたディスクは、
なんらかのかたちで、そこで鳴っていた音を聴いての宿題としての一枚なのだが、
同じような経験を持っていない人も少ないない。

それでも──、とおもうところはある。
たとえば菅野先生録音の「THE DIALOGUE」。
なんらかのかたちで、菅野先生が鳴らされた「THE DIALOGUE」を聴いたことがある人は、
どのくらいいるのだろうか。

その音を聴いていない人にとっては「THE DIALOGUE」は、
宿題としての一枚とはならないのか、といえば、けっしてそうではない。

ステレオサウンド別冊「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」の試聴を読んでほしい。
この別冊での試聴ディスクは、三枚。

ヘンリック・シェリングとイングリット・ヘブラーによる
ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタの第七番。
シルヴィア・シャシュのドラマティック・オペラ・アリア集、
そして菅野先生録音の「THE DIALOGUE」である。

なので個々のアンプの試聴記(鼎談)に、
「THE DIALOGUE」がどう鳴ったのかが、けっこう具体的に語られていたりする。

すべてのアンプの試聴記に「THE DIALOGUE」のことが必ず出てくるとはかぎらないが、
かなりの数のアンプで、具体的に語られている。

これらをまとめて読めば、アンプによって「THE DIALOGUE」のドラムスとベースの音が、
どんなふうに変り、どんなふうになるのが「THE DIALOGUE」なのかもつかめる。

Date: 5月 4th, 2023
Cate: ディスク/ブック

花図鑑(その1)

薬師丸ひろ子の歌は、「セーラー服と機関銃」が最初だった。
けれどシングル盤、LPを買うことはなかったから、
薬師丸ひろ子の他の歌についてはほとんど知らなかった。

1986年に「花図鑑」が出た。
黒田先生がステレオサウンド 80号の連載「ぼくのディスク日記」で書かれている。
黒田先生が買われたのは、「花図鑑」のCD。

CDが登場して四年。
かなり普及していたから、LPよりもCDという時代だったから、
「ぼくのディスク日記」を読んで買ったのは、だからCDだった。

「花図鑑」が最初に買った薬師丸ひろ子のアルバムとなった。
それからぽつぽつ薬師丸ひろ子のCDを買うようになったけれど、LPを買うことはなかった。

昨日はaudio wednesday (next decade)だった。
参加されたHさんが、吉祥寺のハードオフに行ってみたい、ということだった。
ハードオフの店舗にはLPも置いてある。

吉祥寺の店舗ももちろんある。
これまで何度か吉祥寺のハードオフに行ってたけれど、
LPのコーナーを見ることは一度もなかった。

Hさんが歌謡曲のコーナーで、「花図鑑」を見つけてくれた。
ピンナップつきの初回プレス盤で、ジャケットの傷みもない。
かなりきれいなコンディションだった。

高いのかなぁ──、と思ったけれど、案外安かった。
非売品のソノシートもついている、とある。
盤面を確認することなく購入した。

帰宅して盤面をみると、そうとうにきれいだった。
新品に近いと感じるほどだった。

一人でハードオフに行っていても、たぶん出逢うことはなかった。
「花図鑑」ははじめて買った薬師丸ひろ子のアルバム(CD)であり、
初めて買った薬師丸ひろ子のLPとなった。

とはいえ「花図鑑」を聴くのはMQA(96kHz、24ビット)だったりする。