Date: 7月 12th, 2023
Cate: ディスク/ブック
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SOUTH PACIFIC(その1)

“SOUTH PACIFIC”。
邦題は「南太平洋」。1958年(日本公開は1959年)の映画であり、
サウンドトラックのタイトルだ。

“SOUTH PACIFIC”ときいて、
ステレオサウンド 60号の特集「サウンド・オブ・アメリカ」のことを、
いまではどれだけの人が思い出すのだろうか。

もう四十年以上前の記事だし、
そんな古いステレオサウンドは読んだことがない、という世代の人もいよう。

60号を読むまで、“SOUTH PACIFIC”のことは知らなかった。
60号の110ページに、
「アメリカン・サウンド試聴のために集められた機器群」として、
当時の現行製品からすでに製造中止になっていたマランツのModel 7とModel 9など、
この写真をみているだけで、当時の編集部の、この特集への意気込みが伝わってきていた。

アナログプレーヤーは、トーレンスのリファレンス。
リファレンスの置き台に、試聴ディスクが立て掛けられている。
手前にあるのが、“SOUTH PACIFIC”である。

このディスクのことは、アルテックのところに出てくる。
60号の特集に登場するアルテックのスピーカーシステムは、三機種。

A4とA5FとMANTARAY HORN SYSTEMである。
     *
 ぼくが個人的に非常におもしろかったのは、A4のために、瀬川さんがわざわざトーキーのサウンド・トラック・レコードを持ってきて──〝サウス・パシフィック(南太平洋)〟ですけれども──それをかけて、A4の調整にはかなり苦心して、いい状態で鳴らしてみたら、やはりさんざんぼくなんかなじんでいた劇場のウェスターン・エレクトリックの音、ああいうのがよみがえってくるという感じがありました。
     *
このあとにも、“SOUTH PACIFIC”のことは出てくる。
だから、110ページの写真で、“SOUTH PACIFIC”のディスクが手前にあるのは、
編集部が意図してのことのはずだ。

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