Date: 7月 23rd, 2023
Cate: ディスク/ブック
Tags:

SOUTH PACIFIC(その5)

瀬川先生の「たのしい」は、アルテックのA5のところでも登場する。
     *
瀬川 根本的に同意見なんですけれども、A4で非常にいいなと大づかみに感じた部分が、そっくりそのまま、ぜんたいに、ちょっとスケールが小さくなるのは当然で、みなさん、おそらくこの写真をごらんになると、A4をバックにしたA5がいかに小さく見えるか、逆に言えばA4というのが、いかに大きなスピーカーかということにお気づきにあると思う。
 A4でも感じた音の魅力、声がすばらしく明瞭、新鮮、なめらか、声帯がとてもなめらかという感じで、聴きなれた歌手の声でさえ、いっそう上手になったように、たのしく聴けます──この〝たのしい〟っていうのは、ぼくはなん度も使っちゃってるみたいだけれども、〝たのしさ〟というのが、ここの信条でしょうね。
 なんと言うんだろう──、音を無理におさえつけない、とにかく、音のほうが鳴りたがっている、鳴りたがっている音をそっくり、きれいに出してくれるという感じですね。
     *
ステレオサウンド 60号の特集は、何度も読み返している。
アルテックのスピーカーの音も、その後、何度か聴く機会があった。

瀬川先生のいわれる〝たのしい〟も、それなりに理解していたつもりだった。
けれど、“SOUTH PACIFIC”をMQAで聴いて、
まるで理解が足りなかったことに気づいた。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]