トーンアームに関するいくつかのこと(リニアトラッキング型・その2)
私がオーディオに興味を持ち始めたから、リニアトラッキング型トーンアームは、理想に近い形として紹介されていた。
当時は、素直にそう信じた。理想のトーンアームは、リニアトラッキング型によって実現できるはず──、そんなことを思っていた。
(その1)で挙げているモデルの多くは、電子制御によるリニアトラッキング型だった。
リニアトラッキング型トーンアームを自作しようとすると、なかなかに大変なことだと思ったし、私が知る限り、当時のオーディオ雑誌にリニアトラッキング型トーンアームの自作記事はなかった。
センサーがあって、トーンアームを移動するためのモーターがあって、センサーからの情報を元にトーンアームを移動させていく。
そのセンサーを含めて見事にデザインしたのが、B&OのBeogramであって、これで故障知らずで使っていけるのであれば、それは素晴らしいことなのに、故障が多かった、と瀬川先生が特選街という雑誌で、そんなことを指摘されていた。
それを読んで、やっぱりそうなのか……、と思いつつも、憧れは憧れとして、私の中では続いていた。
でも、このころになると、リニアトラッキング型トーンアームの動作は、本当のところはどうなんだろうという疑問も生じてきた。
そこで、まず考えたのはリニアトラッキング型トーンアームにとって、そのメリットを最大限に活かせるのは、どんなレコードなのかだった。
答はすぐに出た。円盤ではなく、エジソンが最初に発明したのと同じくシリンダー型のすることだった。