Archive for 9月, 2026

Date: 9月 4th, 2026
Cate: 戻っていく感覚

DBシステムズ DB1+DB2がやって来た(その6)

1954年に制定されたRIAAカーヴは、3三つの時定数(3180μs/318μs/75μs)から成っている。

1976年にIEC-RIAAカーヴが発表になった。20Hz以下の低域をカットするために、7950μsという四つめの時定数が追加になった。

私は、当時読んでいた電波科学でそのことを知った。そしてDBシステムズのDB1+DB2が、最も早く、この改訂版RIAAカーヴに対応していることも知った。

トーンコントロールを持たないDB1だが、フィルターはハイカット、ローカットがついている。

ハイカットフィルターは、5kHz、10kHzが選択でき、減衰カーヴは6dB/oct.。
ローカットフィルターは、20Hzと36Hzが選択でき、こちらも減衰カーヴは6dB/oct.。

ハイカットフィルターはラインアンプ部にあるため、フォノ入力、ライン入力、つまり全ての入力に対して有効だが、ローカットはフォノ入力のみ、という仕様。

DB1+DB2がやって来て、そうだったなぁ、と思い出し、朝沼予史宏さんDBシステムズを使われていた時、この話をしたら、もっと詳しく教えてほしい、と言われたことも思い出す。

Date: 9月 3rd, 2026
Cate: アンチテーゼ

アンチテーゼとしての「音」(アンチ「自己」・その4)

JBLのフラッグシップモデルであるDD66000を鳴らしているのに、なぜ、アルテックを鳴らそうとするのか。

当時の早瀬文雄(舘 一男)さんのリスニングルームに入って、そのことを思っていた。

この時、アルテックは名前だけの存在になってしまっていた。A7、A5、620A(B)、6041といったスピーカーシステムはもちろんなかったし、代わりとなるモデルもなかった。

中古のアルテックから、何を選ぶか。舘さんは、スピーカーユニットの604-8Gを選んだ。エンクロージュアは620Aとどうとうの大きさのモノを特注していた。

そのエンクロージュアは、私が京都に着く少し前に到着したらしくて、二人で604-8Gを取り付けた。

舘さんは、どんな音で鳴ってくれるのか、とワクワクしていた。私はというと、DD66000がかなりいい音で鳴っていたから、いまさらアルテック……、という気持があったことは否定しない。

それでも久しぶりに聴く604-8Gは、どんな音で鳴ってくれるのか。がっかりするのか、それとも、やっぱりアルテック! と思える音が聴けるのか。

604-8Gを取り付け、DD66000の前まで運んで、結線。ボリュウムをあげる。

接続ミスしたのか──。二人で確認しているから、間違ってはいない。けれどウーファーしか鳴っていない。トゥイーターが、両チャンネルとも鳴っていない。

604-8Gを外す。トゥイーターのバックカバーを外す。するとダイアフラムのリボン状のリード線が、どちらも断線していた。

この時の舘さんの落ち込みようは、いまでも思い出せるほどだった。

Date: 9月 2nd, 2026
Cate: 戻っていく感覚

My Favorite Things(オープルリールデッキ篇・その17)

1980年代の秋葉原はオーディオの街だった。私がステラヴォックスの実機を初めて見たのは、秋葉原のサトームセンのオーディオのフロアだった。

この時代のサトームセンはオーディオにかなり力を入れていた。マークレビンソンのHQDシステムも展示してあった。そのフロアのガラスケースの中にあった。

それまで写真でしか見たことがなかったモデルが、ガラス越しとはいえ目の前にある。触れないし音も聴けないけれど、これがステラヴォックスなのか、という実感だけで満足できていた。

ステラヴォックスとナグラ、どちらが優れているのかは私にはどうでもいいことで、どちらも欲しいと思うけれど、どちらかと問われればステラヴォックスと答えるぐらいの違いだ。

それにナグラはSNNというモデルがあった。SNNに相当するモデルは、ステラヴォックスにはなかった。

SNNは外形寸法W14.7×H2.6×D10.0cm、重量0.574kg(テープ、電池を含む)で、まさに手のひらサイズのオープンリールデッキ。

テープ速度は4.75cm/secと9.5cm/secで、録音時間は27分(18μテープ、9.5cm/sec)、1時間48分(9μテープ、4.75cm/sec)。

電源は単三電池二本使用。おそらくだが、この単三電池二本だけで、1時間48分の録音は可能だったと思われる。

コンパクトにつくるだけでなく、省電力も実現していたわけで、SNNにはオーディオマニアとしてではなく、モノマニアとして強く惹かれる。

SNNは940,000円(1981年)していた。SNNは欲しいという気持よりも一度使ってみたい、という気持の方が強い。

そんなSNNを出していたナグラから、1982年にT-Audioが登場した。ポータブル機器専門メーカーだと思っていたナグラが、据置型のオープンリールデッキを出してきた。

価格は3,500,000円。このころアンペックスのATR102は4,000,000円、スチューダーのA80が3,990,000円、テレフンケンのMagnetophon15A-S/VUが6,240,000だったから、特別に高価だったわけではない。

Date: 9月 1st, 2026
Cate: 「ネットワーク」

dividing, combining and filtering(その6)

世の中は、情報と回転で構成されている。
唐突だけど、ここにきて、そう思うようになった。