Date: 9月 2nd, 2026
Cate: 戻っていく感覚
Tags:

My Favorite Things(オープルリールデッキ篇・その17)

1980年代の秋葉原はオーディオの街だった。私がステラヴォックスの実機を初めて見たのは、秋葉原のサトームセンのオーディオのフロアだった。

この時代のサトームセンはオーディオにかなり力を入れていた。マークレビンソンのHQDシステムも展示してあった。そのフロアのガラスケースの中にあった。

それまで写真でしか見たことがなかったモデルが、ガラス越しとはいえ目の前にある。触れないし音も聴けないけれど、これがステラヴォックスなのか、という実感だけで満足できていた。

ステラヴォックスとナグラ、どちらが優れているのかは私にはどうでもいいことで、どちらも欲しいと思うけれど、どちらかと問われればステラヴォックスと答えるぐらいの違いだ。

それにナグラはSNNというモデルがあった。SNNに相当するモデルは、ステラヴォックスにはなかった。

SNNは外形寸法W14.7×H2.6×D10.0cm、重量0.574kg(テープ、電池を含む)で、まさに手のひらサイズのオープンリールデッキ。

テープ速度は4.75cm/secと9.5cm/secで、録音時間は27分(18μテープ、9.5cm/sec)、1時間48分(9μテープ、4.75cm/sec)。

電源は単三電池二本使用。おそらくだが、この単三電池二本だけで、1時間48分の録音は可能だったと思われる。

コンパクトにつくるだけでなく、省電力も実現していたわけで、SNNにはオーディオマニアとしてではなく、モノマニアとして強く惹かれる。

SNNは940,000円(1981年)していた。SNNは欲しいという気持よりも一度使ってみたい、という気持の方が強い。

そんなSNNを出していたナグラから、1982年にT-Audioが登場した。ポータブル機器専門メーカーだと思っていたナグラが、据置型のオープンリールデッキを出してきた。

価格は3,500,000円。このころアンペックスのATR102は4,000,000円、スチューダーのA80が3,990,000円、テレフンケンのMagnetophon15A-S/VUが6,240,000だったから、特別に高価だったわけではない。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]