オーディオの楽しみ方(つくる・その5)
ラックスキットのマニュアルを数点、インターネットで公開されている人がいる。
当然のことだが、ラックスキットのマニュアルには実体配線図が載っている。
どんな文章よりも、一枚の実体配線図が語るものは多いし、大きい。
マニュアルはモノクロだから、実体配線図もモノクロ。
いわば線画である。
実体配線図は、初歩のラジオについていた。
中学生のころ読んでいた。
初歩のラジオの実体配線図もモノクロの線画だった。
だから色鉛筆で、配線一本一本に色を塗っていた。
最初はいわば塗り絵でしかなかった。
けれどやっていくうちに、色分けするようになってきた。
電源ライン、信号ライン、アース関係と色分けしながら、色鉛筆で塗っていく。
小遣いが足りないから、つまり作りたくともそのための予算がないから、
こうやって塗って楽しんでいた。
塗っていくことで勉強になる。無駄ではなかった。
ラックスキットの中でも真空管のパワーアンプは、
プリント基板が使われていないから実体配線図が重要である。
実体配線図を描くのは、けっこう手間がかかる。
私も描いたことがある。
伊藤先生のアンプの内部写真をみながら、実体配線図を描いた。
つくるには、お金がかかる。
いいモノをつくろうとすれば、それだけの予算を必要とする。
すぐには取りかかれないことも、時としてある。
それでもやれることはある。
真空管アンプならば、実体配線図を描くということがある。