Date: 9月 24th, 2016
Cate: 日本のオーディオ
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日本のオーディオ、これまで(ラックスCL32・その4)

ラックスのCL32をデザインしたのは、木村準二氏である。
ターンテーブルPD121も、木村準二氏のデザインである。

ラックス PD121で検索すると、
瀬川先生のデザインとしている人(サイト)が複数あるが、
瀬川先生ではなく、くり返すが木村準二氏のデザインであり、
PD121のデザインを見た瀬川先生は、非常に悔しがられた、という話も聞いている。

CL34のデザインが誰なのかは知らない。
木村準二氏ではないはずだ。
CL32をベースに、誰か他の人のデザイン(というか手直し)であろう。

手直しと書いてしまったが、
手直しとは到底いえない変更である。
手直しならば、CL32よりもCL34の方が優れていなければならないのだが、
実際にはそうではないことは、CL32とCL34の写真を較べれば誰の目にも明らかだ。

DTPが普及し始めた1990年代後半、
こんなことがいわれていた。

雑誌編集部が連載記事のデザインを、デザイナー(デザイン事務所)に依頼する。
DTPだからデータで入稿される。
その後は、最初のデータをフォーマットとして、
編集部で連載記事のレイアウトをしていく。

連載記事であればそちらの方が経費がかからずに済むし、
何もデザイナーに毎回発注する必要はないだろう、という判断のもとで、だ。

毎回まったく同じパターンで連載記事をつくっていくのであれば、
デザイナーに対しては失礼なことであっても、うまくいくのかもしれない。
でも実際の編集作業は、細かな変更が必要になることもある。

そういうときに編集者がMacとそれ用のアプリケーションを使って、
細かな変更を加える。
問題が発生するのは、こういう時からである。

編集者がデザインの意図を100%理解しているのであればまだいいが、
表面的な理解に留まっている場合、
連載が続けば続くほど、少しずつ元のデザインから離れていってしまう──、
こういう問題が指摘されたことがある。

CL32とCL34のデザインの違いについて書いていて、そのことを思い出してしまった。
木村準二氏がCL34のデザインを手がけられたら、結果は違っていたはず。

CL32のデザインをきちんと理解している人がCL34を手がけていれば、
また違っていたはずだ。

ところがリニアイコライザーからトーンコントロールへの変更、
それに伴うツマミがひとつ増えることを、
あまりにも安易に処理してしまった例がCL34のように思ってしまう。

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