JBLのユニットのこと(先入観・その1)
ステレオサウンド 4号の井上先生の文章では、「先入感」とあったので、
そのまま先入感としたわけだが、いうまでもなく先入観が正しい。
辞書には、前もってつくられた固定的な観念。それが自由な思考を妨げるときにいう、とある。
観念は、物事について抱く考えや意識、である。
「らしからぬ音」と口走ってしまうのは、先入観があるから、といえるし、
その先入観をつくってきたのは、オーディオ雑誌ではないか、という声もある。
そうだともいえるし、そうではない、ともいえる。
私は、そう思っている。
井上先生の、JBLのユニットについて書かれた文章は、
ステレオサウンド 4号に載っている。
ステレオサウンドが創刊されて、四冊目の号である。
ここで井上先生が書かれている「先入感」とは、何によってどうやってつくられたものなのか。
そのことを考えてみる必要はある。
先入観をつくってきた責任は、オーディオ雑誌だ、と言い切ってしまえば、
読み手としては、ある意味、楽である。
けれど、オーディオ雑誌が先入観をつくってきた、と考えることそのものが、
実は先入観であることもある。