オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(その9)
ラックスのSQ38FD/II、CL3535IIIのパネルデザインが、
マランツのコントロールアンプ、Model 7のデザインの影響を強く受けていること、
Model 7のデザインをベースにした、といってもいいだろう、
そういうデザインであることは、
これらのアンプの存在を知った中学生の時には気づいていたし、
デザインに多少なりとも関心のある人ならば、多くの人が気づくことでもあろう。
Model 7のフロントパネルには、ロータリースイッチ、ロータリボリュウム用のツマミが、
上下二段で四つ、左側にあり、中央にはレバースイッチがやはり四つ並ぶ。
そして右側には左側のツマミよりも径の小さなツマミが、左側と同じく上下二段で四つあり、
左端にスライド式の電源スイッチが、ちょこんとついている。
完全な左右対称ではないけれど、
左右対称のデザインを、ほんのすこしくずしたデザインといえる。
ラックスのSQ38FD/II、CL35IIIのツマミのレイアウトは、
マランツのModel 7をベースにしているといえる。
もちろん、まったく同じというわけではないが、あきらかにModel 7を強く意識しているデザインである。
中学生のころは、Model 7をベースにしたんだな、というところで止っていたけれど、
数年後に、ラックスのデザインは瀬川先生がいくつか担当されていた、ということをきいた。
こうなるとSQ38FD/IIのデザインに対する関心は,より深くなっていった。
いったい、このデザインは誰によるものなのか。
瀬川先生がModel 7のデザインを高く評価されていることは知っていたからこそ、
瀬川先生によるデザインなのか、それとも別の人のデザインなのか。
はっきりしたことはわからなかったし、判断もつき難かった。