Date: 12月 12th, 2013
Cate: デザイン
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オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(その8)

ラックスの管球式プリメインアンプの代名詞ともなっているSQ38シリーズ。
昭和38年(1963年)に登場した初代SQ38は、よく知られるSQ38のデザインではなかった。
よく知られる、いわゆるSQ38のデザインになったのは、SQ38Fからであり、1968年以降のことである。

同じパネルデザインをもつコントロールアンプCL35は1970年発売。
CL35もまた管球式アンプである。

この二機種だけをみていると、
SQ38FのデザインがCL35にも採用された、ということになるが、
もう少し詳しくラックスのアンプについて眺めていくと、
1967年にSQ301が登場していて、このアンプのデザインが、のちのSQ38Fであり、CL35のそれである。

SQ301はトランジスター式のプリメインアンプである。
SQ38F、CL35のデザインはまったく同じかというと、若干違うところはある。
インプットセレクターとモードセレクターのツマミが、
SQ38F、CL35では形状が円から長方形へと滑らかに変化していくのに対して、
SQ301では円筒状(一部カットしてある)である。

それからフロントパネル中央にあるレバースイッチのツマミ、
パネル右下にある電源スイッチとスピーカースイッチのツマミが、
SQ301と基本的な形は同じなのだが、SQ38F、CL35ではボリュウム感のあるものに変更されている。
それにレバースイッチの数もSQ301は四つだが、SQ38F、CL35では五つ、という違いもある。

これらの違いからSQ301のほうがすっきり、ともいえるし、ややおとなしい控え目な感じがする。
とはいえSQ38F、CL35のパネルデザインはSQ301のパネルデザインの改良版であることは、
誰の目にも明らかなことだ。

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