オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(その11)
ラックスのSQ38FD/IIは誰のデザインなのか、ではなく、
私が関心があるのは瀬川先生のデザインなのかどうかである。
SQ38FD/II(CL35III)のパネルデザインは、マランツのModel 7のパネルが、
その下敷きとなっている。
瀬川先生が、Model 7のデザインをどう評価されていたのかをまったく知らなければ、
SQ38FD/IIのデザインが、瀬川先生なのかどうか、ということに関心をもつことはなかったかもしれない。
Model 7とSQ38FD/IIのデザインは、違うといえば、かなり違うといえる。
Model 7のデザインをみていると、
ふとしたことで、日本的なイメージを受けることがある。
マランツはいまでこそ日本のオーディオメーカーてあるが、
いうまでももともとはアメリカのオーディオメーカーであり、
1970年代は、アメリカで設計して日本で製造だったこともあるが、
Model 7の時代は、アメリカのオーディオメーカーであり、アメリカで開発・製造されたアンプである。
しかもアメリカが豊かだった時代のアンプでもある。
そんなModel 7のパネルをみて、日本的なイメージを感じる、ということは、
お前のデザインへの感性がおかしいのだ、といわれるかもしれない。
それでもいい、
日本的なイメージをそこに感じとってしまうとき、
私にはModel 7のデザインが良くみえるときでもあるのだから。