マランツ Model 9kがやって来た(その7)
マランツのModel 9kがやって来たのをきっかけに、検索してみると、ここまで神格化されているのかと驚く。
Model 7をはじめマランツの管球式アンプは名器として扱われている。それは私がオーディオに興味をもった頃もそうだった。
それでも神格化されてはいなかった、とふり返って思う。
私のところにやって来たのは、キット版のModel 9kだから、オリジナルであるとか、初期のモデルだとか、部品がオリジナルとは違っているとか、
そういうところからは、ある程度離れたところにいる、といっていいだろう。
Model 9kは、オリジナルと比較すると、いかほどの価値もない、とオリジナルを所有している人の何割かは、そんなふうに思っているかもしれない。
Model 9は1960年に登場している。六十年以上が経っている。
きちんと鳴っていると思われている個体でも、いろんなところにガタがきていると考えた方がいい。
きちんとしたメンテナンスが必要であっても、オリジナルのModel 9を所有している人は、部品の調達だけでも大変なはず。
オリジナルであることに価値を見出している人は、本当に大変だと思う。
その点、私はかなり気楽なものだ。日本マランツの企画によって生まれたキットだけに、オリジナル通りにしなければならないというプレッシャーのようなものはない。
マランツの管球式アンプは、確かによく出来ている。でも神格化までするのはどうだろうか。
趣味のことだから、神格化するしないも個人自由といえなくとない。
それでも神格化してしまうということは、その人自身が信者となってしまうことでもある。
神格化した方が、オーディオを商売としている人にとっては楽につながる面もある。
マランツの管球式アンプは、筐体構造に欠点がないわけではない。こんなことを書くと、信者からは、おまえはマランツの凄さがわかっていない。
わかっていないから、Model 9kがやって来た──、そんなことを言われるかもしれないが、
神格化している人は、筐体構造に、何も疑問を持たないのか。
世の中に欠点のないモノが存在するだろうか。
私は、私のところにやって来たModel 9kでいくつかのことを試してみる。
幸いなことにModel 9はモノーラルアンプだから、まず片チャンネルだけに試して比較するということができる。