Date: 12月 17th, 2013
Cate: JBL
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JBLのユニットのこと(ある文章)

「JBLらしからぬ音」
「JBLってこういう音がするんですか」。

どんなスピーカーであっても、そのブランドイメージがあって、
そのブランドイメージによって音が語られ、音が判断されてしまうことがある。

その人なりのブランドイメージがあって、
そのイメージとそぐわない音が鳴ってきたときに、
らしからぬ音、という表現を口にするのかもしれない。

JBLらしからぬ音、タンノイらしからぬ音、アルテックらしからぬ音……、
世の中にはブランドの数だけ、この「らしからぬ音」が存在しているといえるのだが、
その中でも、JBlほど、「らしかぬ音」が使われるブランドは、他にない。

JBLが古くから知られるブランドであるから、ということは理由にはならない。
アルテックにしてもタンノイにしても、古くから同じくらいに有名なブランドである。
にもかかわらずJBLだけが突出して「らしからぬ音」が語られるのは、なぜなのか。

ある文章を引用しよう。
     *
少々のクセはあるかも知れぬが高能率のスピーカーに悪いものは少ない。どうも昨今JBLブームの感もあるが、その意見について、どうも相当な誤解のある事は事実で、JBLと云えば派手なアメリカ的な音を想像されるだろうが巷で鳴らされているJBLは、まさしくその様子である。
 然しメーカーの指示に従い正しく使用すれば使い込む必要もなく最初から、使用者の意を受ける如く、おだやかな音を出してくれるのには驚かされる。臨場感というのか将に楽器が、そこにあり、音楽を聞くものに迫ってくる感じは、装置の存在をさえ忘れる想いがする。よくクラシック向きとジャズ向きときに装置のプログラムソースに対する順応性が云われるが、この組合せ程度以上になると、どうも余り、何とか向き、を感ずる事は少なくなる。常々思う事にどうもステレオファンには固有の感覚上と定義的な先入感で楽器の音を評価する方が多い。例えば全金属性ピアノ?(響板も金属性)等どうも音の評価のみに捕われている場合によれば音楽は、苦痛の原因ともなる。先ず音を聞いて、それから音楽を聞くのならまだ幸せだろう。音を聞いて感激した事は数多いが、音楽をレコードを通して聞いて感激する事の極めて稀になってしまった私にとってJBLのスピーカーは又夢を与えてくれた様子である。
     *
井上先生の文章だ。
ステレオサウンド 4号の特集記事(組合せ)で、
JBLの130Aと175DLHを中心とした組合せについて書かれたものである。

ステレオサウンド 4号は1967年に出ている。

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