私的イコライザー考(妄想篇・その9)
BOSE・901は1967年に発表され、翌68年から発売されている。
これだけ長い間、いまも現役のスピーカーシステムは他に何があるだろうか。
もう40年以上、小改良を何度か受けているというものの、
基本的な形・構造にほとんど変化なく、いまもBOSEのトップモデルである。
901に続くロングセラーのスピーカーシステムとなると、
タンノイのウェストミンスターだけだろう。
そういうスピーカーシステムなのに、いま日本には正式に輸入されていないということを、
日本のオーディオマニアとして、どう受けとめるべきなのだろうか。
901はBOSEを代表するスピーカーシステムではあるが、
BOSEの最初のスピーカーシステムではない。
これはBOSEの広告にも使われていたのでご存知の方も多いだろう、
1/8球体のエンクロージュアに22本のフルレンジユニットを取り付け、
疑似呼吸体を目指したスピーカーシステムである。
1966年に世に登場している。
このスピーカーシステム、2201の開発時のエピソードも、
オーディオ雑誌に何度か記事になっている。
BOSE博士がまだ大学生だったころ、
オーディオを購入し、ヴァイオリンのレコードをかけたところ、あまりにもひどかった。
それで疑問を抱き、音響に関する勉強を始めたことがきっかけとなっている。
これが1956年のこと。価格はペアで2000ドル。
いい音がしていた、ときいている。
けれど商業的には成功とはいえず、1967年ごろのBOSEは経営に行き詰まる。
そして登場したのが、901である。