岩崎千明氏のこと(続・ジャズの再生の決め手)
一瞬の結晶化こそが、ジャズの再生の決め手だ、と、昨年の12月に書いた。
一瞬一瞬の結晶化、ひとつひとつ音の結晶化、
そうやって結晶化されたもの同士がぶつかり合い燃焼することで、多彩な色を発する。
そういうジャズの再生を目指されていたのだろうか、とおもうことがある。
そして結晶は燃焼し消え去るわけだが、
ただきれいに消え去るだけでは、いわば対岸の火事である。
燃焼し消え去る時に火の粉が生れる。
この火の粉が、聴き手のくすぶった心に飛び火する。
聴き手の心に火をつける。
それまでくすぶっていたものを燃やすことになる。
ジャズを聴くということはそういうことであり、
ジャズを再生するとは、そういうことではないのか。
クラシックばかり聴いてきた私は、憧れをもって、そうおもっている。